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ティルト試験は,以下の患者の失神を評価する目的で用いられる:
一見して健康そうな若年の患者
心臓の検査とその他の検査で診断がつかなかった高齢患者
ティルト試験では,静脈系への血液貯留を最大限に高めることにより,血管迷走神経性(神経心原性)失神が誘発され,それに伴う症状と徴候(悪心,ふらつき,蒼白,低血圧,徐脈)が再現されることがある。
手技
解釈
ここで血管迷走神経症状が発生した場合は,血管迷走神経性失神の確定診断となる。症状が現れない場合は,症状を誘発するために薬剤(例,イソプレナリン)を投与することがある。(注:肥大型心筋症または重度の冠動脈疾患の患者にはイソプレナリンを使用してはならない。)使用したプロトコルにより感度は30~80%と差がある。偽陽性率は10~15%である。
血管迷走神経性失神では,心拍数および血圧が通常低下する。心拍数のみ低下する患者(心抑制型)や血圧のみ低下する患者(血管抑制型)もいる。別の診断が示唆されるその他の反応としては,心拍数の変化をほとんど伴わずに収縮期および拡張期血圧が漸減する(自律神経失調型),血圧の変化をほとんど伴わずに心拍数が著明に上昇(30/分を上回る)する(体位性頻脈症候群),血行動態の変化はなく失神が報告される(心因性失神)などがある。
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