偽性低アルドステロン症I型

執筆者:L. Aimee Hechanova, MD, Texas Tech University Health Sciences Center, El Paso
レビュー/改訂 2022年 5月
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偽性低アルドステロン症I型は,まれな遺伝性疾患の一群であり,腎臓でカリウムが過剰に保持される一方,ナトリウムと水が過剰に排泄される結果,低血圧が生じる。症状は,低血圧,循環血液量減少,低ナトリウム血症,高カリウム血症によってもたらされる可能性がある。治療は高ナトリウム食のほか,ときにフルドロコルチゾンによる。

偽性低アルドステロン症には3種類がある:

  • 常染色体潜性(劣性)の偽性低アルドステロン症I型

  • 常染色体顕性(優性)の偽性低アルドステロン症I型

  • 偽性低アルドステロン症II型

遺伝形式は常染色体潜性(劣性)または常染色体顕性遺伝(優性遺伝)である。

偽性低アルドステロン症I型は,他の形態の低アルドステロン症と類似するが,アルドステロン値が高値である点が異なる。

非常にまれな疾患である偽性低アルドステロン症II型については,ここでは論じない。

常染色体潜性(劣性)の偽性低アルドステロン症I型

常染色体潜性(劣性)の病型は重度かつ恒久的となる傾向がある。集合管の管腔粘膜にある上皮型ナトリウムチャネル(ENaC)の活性低下をもたらす変異のため,患児はアルドステロンの作用に抵抗性を示す(ENaCの活動性亢進はカリウム排泄とナトリウム保持につながる―リドル症候群を参照)。腎臓以外の組織に発現するナトリウムチャネルも影響を受ける場合があり,それにより粟粒性発疹や嚢胞性線維症と同様の合併症が生じることがある。

常染色体顕性(優性)の偽性低アルドステロン症I型

ミネラルコルチコイド受容体の変異のため,患児はミネラルコルチコイドに抵抗性を示す。常染色体顕性(優性)の病型は重症度が低いのが通常であり,主に腎臓のミネラルコルチコイド受容体に影響を及ぼし,小児の年齢とともにある程度回復することがある。

偽性低アルドステロン症I型の診断

  • レニンおよびアルドステロンの血漿中濃度

診断は循環血液量減少,血清カリウム高値,血清ナトリウム低値,レニンおよびアルドステロン高値の臨床所見に基づき,特に家族歴が陽性の乳児で疑われる。診断は遺伝子検査によって確定する。

偽性低アルドステロン症I型の治療

  • 高ナトリウム食のほか,ときにフルドロコルチゾン

高ナトリウム食は体液量および血圧の維持に有用であり,カリウムの排泄量を増加させる。食事法が無効の場合は,フルドロコルチゾン0.5~1.0mg,経口,1日2回または1~2mg,経口,1日1回を投与することができる。

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