魚介類による中毒とは何ですか?
一部の魚介類には有毒な化学物質が含まれています。魚介類による中毒とは、毒素を含む一部の魚類や貝類を食べたことによって体の具合が悪くなることです。
魚介類による中毒にはどのような症状がありますか?
症状は、食べた魚介類に含まれている毒素の種類によって異なります。
シガテラ中毒
シガテラとは、成長した魚の体の中にたまる毒素の一種です。その魚を加熱調理しても、この毒素はなくなりません。
魚を食べてから約2~8時間後に、次の症状が現れます:
吐き気
腹部のけいれん
下痢(便が何度も出たり、ゆるい便や水っぽい便が出たりする)
その後、次の症状が現れます:
かゆみ
チクチクする感じ
頭痛
筋肉痛
熱いものを冷たく、冷たいものを熱く感じる
顔の痛み
症状は数カ月続くことがあります。
フグ中毒
フグには危険な毒素が含まれています。この魚を加熱調理したり冷凍したりしても、この毒素はなくなりません。
次の症状が現れます:
吐き気
腹部のけいれん
下痢(便が何度もでたり、水っぽかったり、ゆるかったりする)
麻痺(筋肉を動かせない)―これにより呼吸が止まり、死亡することがあります。
自分やほかのだれかがフグ中毒かもしれないと思ったら、すぐに電話で救急車を呼ぶ(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)か、すぐに病院に行ってください。
サバ科の中毒
サバ科の毒素は、一部の種類の魚(サバ、マグロ、カツオ)を正しく保存したり冷蔵したりしなかった場合に、その魚の中でつくられます。
その魚は苦かったりコショウのような味がすることがあります。
サバ科の中毒の症状は次のとおりです:
皮膚が赤くなって温かくなる(紅潮)
吐き気
嘔吐
じんま疹(突然現れるうすい赤色の皮膚のふくらみ)
貝や甲殻類による中毒
貝や甲殻類による中毒は、ムール貝、アサリ、カキ、ホタテなどのサキシトキシンという毒を含む貝を食べることによって起こります。
貝や甲殻類を加熱調理しても、中毒は予防できません。
貝や甲殻類による中毒の症状は次のとおりです:
食べてから数分後に現れる、口のまわりのチクチクする感じ
吐き気
嘔吐
腹部のけいれん
筋肉に力が入らない
腕や脚の筋肉を動かすことができない
呼吸が苦しい
医師は魚介類による中毒をどのように治療しますか?
具体的な治療法は、毒の種類によってちがいます。
医師は次のことをします:
薬(抗ヒスタミン薬)を使う
水分をたくさん飲ませる
水分を飲めない場合は、輸液(静脈から水分を補給)する
必要なら、嘔吐を止めるのに役立つ薬を使う
体温、心拍数、呼吸を正常にもどすための治療をする