鉄中毒とは何ですか?
鉄は体に必要なミネラルですが、多すぎると害になります。総合ビタミン剤など、鉄を含む薬を飲みすぎると鉄中毒になります。鉄中毒が最もよく起きるのは、小さな子どもです。
鉄中毒は、5才までの子どもで、中毒による死亡のおもな原因の1つになっています。
鉄剤や総合ビタミン剤は子どもの手の届かないところに置いておくようにしてください。
深刻な中毒の症状はたいてい6時間以内に現れますが、症状がまだ現れていなくても、すぐに電話で助けを求めてください。
鉄中毒の人は入院して治療を受ける必要があります。
自分やほかのだれかが鉄中毒かもしれないと思ったら、すぐに電話で救急車を呼んでください(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)。
鉄中毒にはどのような症状がありますか?
次のような最初の症状が、たいていは6時間以内に起こります:
嘔吐(血を吐くこともある)
下痢(便が何度も出たり、ゆるい便や水っぽい便が出たりする)
イライラする
眠気
中毒が重い場合は、初期症状に次のものが含まれることもあります:
呼吸が速くなる
心臓の動きが速くなる
昏睡(意識がなく、起こそうとしても目が覚めない状態)
けいれん発作(体がビクビクと勝手に動いて、自分でコントロールできない状態)
ときに、自分がしばらくの間よくなってきているように感じることがあるかもしれません。そして、飲みすぎてから12~48時間後に次の症状が現れます:
発熱
ショック(血圧が危険なほど下がった状態)
出血
目と皮膚が黄色くなる(黄疸)
混乱
昏睡
その次に肝不全が起こり、ショック、出血、血液の凝固異常で死亡することがあります。
死に至らなかった場合は、飲みすぎてから約2~5週間後に、症状がまた現れることがあります。次の症状を感じることがあります:
引きつるような腹部の痛み
吐き気
このような症状は、腹部や腸が瘢痕組織によってふさがると起こります。
医師はどのようにして、私が鉄中毒かどうかを判断しますか?
医師は検査で血液中の鉄の量を調べることができます。場合によっては、飲み込んだ薬を探すためにX線検査を行うこともあります。
医師は鉄中毒をどのように治療しますか?
医師は治療のために入院するよう伝える可能性が高いです。
医師は次のものを使います:
胃や腸に残っている薬を洗い流すための特別な液体
鉄に結合し、鉄が尿とともに体から出ていくようにする薬