腐食性物質は、熱傷(やけど)を引き起こす化学物質です。
腐食性物質による中毒とは何ですか?
腐食性物質による中毒は、やけどを引き起こす化学物質を飲み込むことで起こります。そのようなやけどは、唇、口、のど、胃、食道に起こることがあります。食道は、のどと胃をつないでいる管です。
このタイプのやけどでは、瘢痕組織ができたり、穴(穿孔)があくことがあります。その結果、命にかかわる重い感染症が起きることがあります。
排水口クリーナー、トイレ用の洗剤、一部の食器洗浄器用の洗剤には腐食性物質が含まれています。
小さな子どもは腐食性物質をまちがえて飲み込んでしまうことがあります。
腐食性物質には液体と固体があります。
自分やほかのだれかが腐食性物質を飲み込んだかもしれない場合は、電話で救急車を呼んでください(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)。
腐食性物質中毒にはどのような症状がありますか?
次のような症状があります:
すぐに現れるひどい口とのどの痛み(特に飲み込んだとき)
よだれ
せき
ものを飲み込みづらい
嘔吐(または血を吐く)
呼吸が苦しい
強い腐食性物質の場合や、食道や胃に穴があいている場合は、次の症状を感じることもあります:
胸のひどい痛み
心拍が速くなる
呼吸が速くなる
呼吸が苦しい
胸の痛み
ひどい胃の痛み
ショック(血圧が危険なほど低くなること)
ひどい中毒では、死んでしまうこともあります。
食道が傷ついた場合、いつかあなたに食道のがんが発生する可能性が高くなります。
医師はどのようにして、私が腐食性物質による中毒かどうかを判断しますか?
医師はあなたの口の中に化学熱傷がないか調べます。また、内視鏡(体の中を見るためのやわらかい管)であなたののどを見ることもあります。
医師は腐食性物質による中毒をどのように治療しますか?
やけどが軽い場合、医師は次のことをします:
牛乳か水を飲むように指示する
輸液(静脈から水分を補給)する
感染を止める薬を与える
やけどが重い場合、医師は次のことをします:
傷ついた組織を取り除く手術
食道や胃に穴があればそれをふさぐ
感染を止める薬を与える
必要なら、食道を広げたりつくり直したりする手術
腐食性物質を吐き戻そうとしてはいけません。吐き戻すと、飲み込んだときと同じだけ傷ついてしまいます。