網膜芽細胞腫とはどのような病気ですか?
網膜は、眼球の奥にあって、光を感じ取る組織です。網膜芽細胞腫は網膜のがんで、ほとんどが小さな子どもに起こります。
網膜芽細胞腫は、なりやすい体質が家族の中で受けつがれることがあります。
ふつうは2才になるまでに起こります。
網膜芽細胞腫の子どもの約4人に1人では、両方の目に起こります。
網膜芽細胞腫がある子どもは、瞳孔が白かったり、斜視があったり、視覚に異常が起きたりすることがあります。
治療としては、手術や化学療法のほか、ときには放射線療法をすることもあります。
網膜芽細胞腫の原因は何ですか?
網膜芽細胞腫は、目の成長をコントロールする遺伝子の異常によって引き起こされます。赤ちゃんがこの異常を親から受けつぐこともあれば、異常が自然に起こることもあります。
網膜芽細胞腫にはどのような症状がありますか?
次のような症状があります:
瞳孔(目の中心にある黒い点)が黒ではなく白い
左右の目が別の方向を向く(斜視)
網膜芽細胞腫が大きい場合、視覚の問題
がんが広がっていると、嘔吐をしたり、食欲がなくなったり、頭痛がしたりすることがあります。
医師はどのようにして、私の子どもに網膜芽細胞腫があるかどうかを判断しますか?
医師は、網膜芽細胞腫を疑った場合、次のことをします:
お子さんに網膜芽細胞腫がある場合、医師はがんが広がっているかどうかを調べるために、さらに次のような検査をします:
医師は遺伝子検査もして、お子さんの網膜芽細胞腫が家族の中で受けつがれるタイプのものかどうかを調べます。その場合は、医師はお子さんの家族にも検査をします。網膜芽細胞腫になる危険性がある兄弟や姉妹は、生まれてから4才までの間、4カ月ごとに目の診察を受ける必要があります。同じ遺伝子が大人の網膜に、がんではない腫瘍を引き起こすこともあるため、親の目も調べる必要があります。
医師は網膜芽細胞腫をどのように治療しますか?
治療法は、網膜芽細胞腫がある場所と、がんが広がっているかどうかによって変わります。腫瘍をすべて取り除くことが大切ですが、可能なら、医師は視力を残せる治療法を選びます。
網膜芽細胞腫が片目だけにある場合は、医師はふつう、次のことをします:
目を取り出す
網膜芽細胞腫が両目にある場合は、医師は大きい方の腫瘍がある目を取り出し、もう片方の目を取り出さずに治療することで、お子さんがものを見続けられるよう試みることがあります。そうした治療では、次の方法が用いられます:
治療が終わったら、がんが再発していないことを確かめるために、専門医がお子さんを定期的に診察する必要があります。