歯の外側のかたい表面をエナメル質といいます。歯の中の深いところには歯髄があり、その中に血管と神経があります。細菌が歯のさまざまな部分を傷つけることがあります。
虫歯とはどのようなものですか？
Image provided by Jonathan A.Ship, DMD.
虫歯は歯がとけた部分のことです。
細菌が歯のエナメル質の表面にたまり、歯に穴をつくる酸をつくります―この穴を虫歯といいます。
虫歯が大きくなってエナメル質をこえ、歯の中まで進んでいくと、歯の痛みが起こります。
歯科医はあなたの歯を見たり、X線検査をしたりすることによって虫歯を見つけます。
治療法としては、虫歯の部分をけずって穴につめものをすることなどがあります。
規則正しく歯をみがき、歯の検診を受け、甘い食べものを食べないようにすることが、虫歯の予防に役立ちます。
歯
虫歯の原因は何ですか？
細菌が歯の表面にたまり、虫歯の原因になる酸をつくります。
細菌、唾液（つば）、食べかすが、歯垢といううすい層を作って歯にくっつきます。歯垢は時間がたつにつれてかたくなり、歯石になります。歯石はふつう、黄色をしています。それが歯の根元にあるのが見えることもあります。歯垢や歯石の中にいる細菌は、取り除くのが大変です。
細菌は糖分があることで増えます。これが、糖分の多い食べものや飲みもが虫歯の原因になる理由です。糖分をとる量は、糖分をとる回数ほど重要ではありません。重要なのは、糖分が歯にふれている時間です。甘いソフトドリンクを1時間かけて少しずつ飲む方が、より糖分の多いチョコバーを5分で食べてしまうよりも、むし歯ができやすくなります。赤ちゃんに哺乳びんをもたせたまま寝かせると、哺乳びんの中に母乳や人工乳しか入っていなくても、むし歯になる危険性が高まります。寝かせるときの哺乳びんには水だけを入れるようにしましょう。
あなたが次のことに当てはまる場合、あなたは虫歯になる可能性がほかの人よりも高いです：
口の中に歯垢や歯石がたくさんある
コーラやジュースなど、甘いものや酸性のものを食べたり飲んだりする
歯の中のフッ素（エナメル質を硬くするミネラル）が少なすぎる
口の中の唾液（つば）が多くない（口腔乾燥という状態）
歯の下の方まで歯ぐきが下がっている（歯ぐきの退縮）
虫歯にはどのような症状がありますか？
歯科医はどのようにして、私が虫歯かどうかを判断しますか？
歯科医は次の方法で虫歯を診断します：
あなたの歯を見て、歯科用の器具で探る
歯のX線検査をする
歯科医は虫歯をどのように治療しますか？
あなたの虫歯がとても小さく、エナメル質だけの場合、あなたに十分なフッ素があれば歯は自然に治ります。
エナメル質よりも深い虫歯には、歯科医は虫歯になった部分をけずってつめものを入れることで治療します。つめものの素材としては次のようなものがあります：
人から見えない奥歯によく使われる銀アマルガム合金（銀、水銀、銅、スズや、場合によってはほかの金属を組み合わせたもの）
あなたの歯に色を合わせたコンポジットレジン
歯と同じ色をしていてフッ素を出すグラスアイオノマー（虫歯がたくさんある人に適しています）
金
根管治療または抜歯
虫歯が歯髄に届くほど深くなってひどい炎症が起きると、歯科医はあなたに痛み止めの薬を使い、次のどれかの治療をします：
根管治療をしてあなたの歯から歯髄を取り除き、つめものをして根管をふさぐ
歯を残せない場合は歯を抜く
あなたが感染症にかかっている場合は、抗菌薬も使われます。
虫歯はどうすれば予防できますか？
虫歯は次の方法で予防できます：
フッ素入りの歯みがき粉で歯をみがく（朝と夜と、甘いものを食べた後）
デンタルフロスを毎日使う
定期的に歯の手入れをしてもらう
健康的な食べものを食べ、糖分や酸の多い食べものや飲みものを減らす
フッ素を十分にとることが大切です。フッ素は、歯を虫歯から守るミネラルです。一部の地域では、水道水にフッ素が入っています。水道水にフッ素が入っていない場合は、歯科医は8才までの子どもにはフッ素のサプリメントを処方したり、歯にフッ素をぬる処置をしたりすることがあります。
それでもたくさん虫歯になる場合は、歯科医は次のことをすることがあります：
歯にシーラントをぬる（シーラントはかたいプラスチックでおおうもので、深い割れ目がある歯の虫歯を予防する）
虫歯を引き起こす細菌を殺すのに役立つ抗菌薬入りの洗口液をあなたに使うように指示する
