蟯虫感染症とはどのような病気ですか?
蟯虫は寄生虫の一種で、ふつうは子どもに感染しますが、大人にも感染することがあります。蟯虫は腸の中に寄生していて、肛門(便が出る穴)のまわりの皮膚に卵を産み、かゆみを引き起こします。
肛門のまわりのかゆみは、蟯虫による症状の1つです。
親指をしゃぶる子どもは、蟯虫の卵を飲み込む可能性が高いため、蟯虫に感染する危険性が高いです。
あなたのお子さんに蟯虫がいると疑われた場合は、夜に懐中電灯でお子さんの肛門のまわりを照らして見ると、蟯虫がどこにいるかが分かります。蟯虫は小さくて、白く、クネクネしています。
医師は2回分の抗寄生虫薬で蟯虫を治療します。
蟯虫感染症の原因は何ですか?
蟯虫感染症は、腸に入りこむ小さな虫によって引き起こされます。
小さな蟯虫の卵を飲み込むことで感染します。
腸の中で卵がかえり、そこで成長します。
およそ2~6週間後には、成虫が肛門から出てきて、その近くの皮膚の上に、顕微鏡でしか見えない小さな卵を産みつけます。
感染した人は、卵をほかの人にうつしてしまう可能性があります。
卵は肛門のかゆみを引き起こします。引っかくと、爪の中に蟯虫の卵が入り、ほかの人に感染させてしまう可能性があります。卵がベッドのシーツにくっついて、人に感染することもあります。子どもは大人ほど手を洗わないため、蟯虫は子どもに多くみられます。
蟯虫感染症にはどのような症状がありますか?
蟯虫がいる人の多くでは、何の症状も現れません。症状がある場合は、次のようなものが現れます:
肛門のまわりのかゆみ
女の子では、腟のまわりのかゆみと炎症
医師はどのようにして、蟯虫感染症かどうかを判断しますか?
医師は、お子さんの体の中に蟯虫がいるかもしれないと考えたら、ふつうは、次のようにして蟯虫やその卵を探すように、あなたに指示します:
お子さんがねてから約1~2時間後に、お子さんの肛門のまわりに成虫がいないかを確かめます。蟯虫は白く、クネクネしていて、かみの毛ほどの細さですが、肉眼で見ることができます。
朝一番に、お子さんの肛門のまわりを粘着テープで軽くたたいて、卵を取ります。そのテープを病院に持っていって、顕微鏡で調べてもらいます。
医師は、蟯虫感染症をどのように治療しますか?
医師は次のものを使って蟯虫感染症を治療します:
抗寄生虫薬:ふつうは、すぐに薬を飲み、2週間後にもう一度飲む
場合によっては、蟯虫がほかの人に広がるのを防ぐために、家族全員に抗寄生虫薬を使う
肛門とそのまわり、かゆみ止めのクリームを使う
感染があった後に家の中の蟯虫の卵を取り除くために:
家全体に念入りにそうじ機をかける
感染した人がふれた、おもちゃ、シーツ、服などをすべて洗う