遺伝性血管性浮腫と後天性血管性浮腫はどのようなものですか?
血管性浮腫は、ふつうはアレルギー反応によって生じる、顔、唇、舌、のどの腫れです。しかし、血管性浮腫は免疫系の特定の問題によっても起こります。
遺伝性血管性浮腫は、生まれつきの免疫系の問題です。
後天性血管性浮腫は、別の病気や状況によって引き起こされる免疫系の問題です。
遺伝性血管性浮腫と後天性血管性浮腫は、アレルギー反応で引き起こされる血管性浮腫と似ているものの、かゆみは起きず、じんま疹(皮膚にできる赤くて、かゆい、もり上がった斑点)も出ません。
唇、舌、のどが腫れることがあり、それによって呼吸が苦しくなる可能性があります。
吐き気や嘔吐がみられることがあります。
医師は薬を使って、腫れを治療したり予防したりすることがあります。
DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
遺伝性血管性浮腫や後天性血管性浮腫の原因は何ですか?
遺伝性血管性浮腫は遺伝性(親から受けつがれる形質)の病気です。この状態は生まれたときから存在しますが、症状はふつう、子どものときか10代のときに現れ始めます。
後天性血管性浮腫は、特定のがんまたは自己免疫疾患(体の免疫系が自身の組織を攻撃する病気)にかかった後にかかることがあります。ふつう、症状は人生の後の方で始まります。
血管性浮腫の発作のきっかけにはどのようなものがありますか?
遺伝性と後天性のいずれの血管性浮腫も、次のものによって腫れが起こります:
軽いけが
感染症
特定の食べもの
妊娠
冷気
ストレス
遺伝性血管性浮腫と後天性血管性浮腫にはどのような症状がありますか?
痛みをともなう腫れが次の場所にみられる可能性があります:
顔面
唇
舌
手
足
性器
口、のど、気道、消化管の粘膜
ほかにも次のような症状があります:
吐き気
嘔吐
けいれん
声帯、のど、舌が腫れて、呼吸が妨げられることがあります。
この写真には、遺伝性血管性浮腫の人に生じた口唇の腫れが写っています。
By permission of the publisher.From Joe E, Soter N.In Current Dermatologic Diagnosis and Treatment, edited by I Freedberg, IM Freedberg, and MR Sanchez.Philadelphia, Current Medicine, 2001.
血管性浮腫により舌が腫れています。
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血管性浮腫により唇が腫れています。
DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
医師はどのようにして、私が遺伝性血管性浮腫または後天性血管性浮腫かどうかを判断しますか?
医師は、あなたに腫れがあるけれども、じんま疹がない場合、遺伝性または後天性血管性浮腫ではないかと疑います。確かめるために、医師は次のことをします:
血液検査
医師は遺伝性血管性浮腫と後天性血管性浮腫をどのように治療しますか?
医師は次のもので治療します:
免疫の働きを助ける薬
医師は腫れを予防するためにも、薬を出すことがあります(特に何がきっかけとなるかが分かっている場合)。
気道閉塞の治療
気道が腫れて呼吸に問題がある場合は、医師は気道を開く必要があります。これを行うには、次の方法があります:
腫れを軽くするための注射をする
鼻または口から呼吸用のチューブを入れる
鼻と口の周囲の腫れがひどい場合は、気管を覆う皮膚を切って、呼吸用のチューブを入れる