アナフィラキシー反応とは何ですか?
アナフィラキシー反応は最も深刻で、突然起こり、命にかかわるアレルギー反応です。体全体にかゆみのある発疹が出たり、のどが腫れたり、呼吸が苦しくなったりするなどの重度の症状が現れます。意識を失う場合もあります。アレルギー反応を治療しないと、死んでしまう可能性があります。
あなたがアレルギーのあるもの(アレルゲン)に触れたり、それを食べたりすると、アナフィラキシー反応が起こることがあります。
何かに対してアナフィラキシー反応を起こしたあと、そのアレルゲンに再び接触すると、またこの反応が起こる可能性がとても高くなります。
アナフィラキシー反応の症状はふつう、15分以内に始まります。
アナフィラキシー反応を予防するために、アレルゲンを避け、常にアドレナリン注射と抗ヒスタミン薬の飲み薬を携帯するようにします。
アナフィラキシー反応が起きた場合は、救急医療機関に行ってください。
アナフィラキシー反応の原因は何ですか?
あなたがアレルギーがあるものであればなんでも、アナフィラキシー反応を引き起こす可能性があります。最も多い原因には次のものがあります:
薬(ペニシリンなど)
虫刺され
食べもの(特に卵、魚介類、ナッツ類)
ラテックス(一部の手袋や風船に使用されるゴムの一種)
通常、初めてアレルゲンにさらされたときにはアナフィラキシー反応はみられません。何かに対してアレルギーになるには、体がその何かにさらされる必要があります。しかし、多くの人は最初にさらされたときのことを覚えていません。
アナフィラキシー反応にはどのような症状がありますか?
アナフィラキシー反応はふつう、アレルゲンにさらされてから15分以内に始まります。
症状はそれぞれの人で異なる可能性がありますが、ある人にアナフィラキシー反応を起こしたときにその人に現れる症状は、ふつう毎回同じです。次のような症状がみられる可能性があります:
体中がかゆくなって、皮膚に赤い斑点(じんま疹)ができる
目、唇、舌、のどが腫れる
喘鳴や呼吸困難が起こる
腹部のけいれん、吐き気、嘔吐が起こる
血圧が低下して、めまいや失神が起こる
助けが得られない場合は、呼吸が止まったり、けいれん発作を起こしたり、気を失ったりする可能性があります。アナフィラキシー反応は命にかかわります。
医師はどのようにして、私がアナフィラキシー反応を起こしているかどうかを判断しますか?
症状に基づいて、また診察することで医師にはすぐに判断できます。
何がアナフィラキシー反応を引き起こしたのか、あなたには思い当たることがあるかもしれません。たとえば、ナッツが入っていることを知らなかったクッキーなど、あなたがアレルギーがあるものを偶然食べてしまったかもしれません。それ以外の場合では、何がその反応を引き起こしたのかを医師が特定するのは困難です。
医師はアナフィラキシー反応をどのように治療しますか?
医師はアドレナリン(重篤なアレルギー反応を治療する薬)を注射します。それでも呼吸に問題がある場合は、鼻や口に呼吸用のチューブを挿入し、酸素を投与することがあります。
ときに、次のようなものも投与されます:
血圧を上昇させる薬
静脈からの水分補給
気道を開いて呼吸を助ける薬
腫れを軽くするための薬(抗ヒスタミン薬)
アナフィラキシー反応はどうすれば予防できますか?
アレルギーのあるものを避ける
虫刺されのように避けるのが難しいものに対してアレルギーがある場合は、アレルギー注射について医師に相談する
常にアドレナリン注射と抗ヒスタミン薬の飲み薬を持ち歩く
医師は、アドレナリンの注射用キットの処方せんを出してくれます。注射器はいつも持ち歩きます。アレルゲンの近くにいる場合や、アナフィラキシー反応が出始めた場合は、アドレナリンを自分で注射して、抗ヒスタミン薬の錠剤を飲みます。さらに治療が必要な場合に備えて、救急医療機関に行ってください。
意識を失ったり医療援助が必要になったりした場合に備えて、アレルゲンの一覧を記入した医療用ブレスレットをつけるようにしましょう。