免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょう（ITP）

血小板けっしょうばんは、血液けつえきの流ながれに乗のって全身ぜんしんをめぐっている小ちいさな細胞さいぼうで、血液けつえきが固かたまるのを助たすけます。血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうとは、血液けつえきの中なかで血小板けっしょうばんが減へりすぎた状態じょうたいのことです。

免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうは、 免疫めんえきの働はたらきによって血小板けっしょうばんが壊こわされるせいで、血小板けっしょうばんの数かずが減へりすぎることで起おこる病気びょうきです。

• 血小板けっしょうばんが少すくなくなりすぎると、出血しゅっけつが起おきやすくなります。

• 皮膚ひふに小ちいさな紫色むらさきいろの斑点はんてんができたり、鼻血はなぢが出でたり、歯はぐきから血ちが出でたりすることがあります。

• 医師いしは血液検査けつえきけんさで免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうを診断しんだんします。

• 子こどもの場合ばあい、免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうはふつう、自然しぜんになくなります。

• 大人おとなの免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうには、免疫めんえきの働はたらきを抑おさえるために、コルチコステロイドなどの薬くすりが使つかわれることがあります。

• あなたが大人おとなで、薬くすりで効果こうかがない場合ばあいは、医師いしが脾臓ひぞうを取とり出だす手術しゅじゅつをすることがあります。

免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうは、免疫めんえきの働はたらきによって、血小板けっしょうばんを攻撃こうげきして壊こわしてしまう抗体こうたいがつくられることで起おこります。このようなことが起おこる理由りゆうは医師いしたちにも分わかっていませんが、子こどもでは、ウイルスに感染かんせんした後あとにこうしたことがよく起おこります。

免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうの症状しょうじょうは、急きゅうに現あらわれることもあれば、ゆっくり現あらわれることもあります。次つぎのようなものがあります：

• 皮膚ひふや口くちの中なかにできる小ちいさな赤あかい斑点はんてん

• とても軽かるいけがであざができる

• 歯はぐきからの出血しゅっけつ

• 重おもい月経げっけい

血小板けっしょうばんの数かずが少すくなければ少すくないほど、出血しゅっけつが起おきやすくなります。血小板けっしょうばんの数かずがとても少すくなくなった人ひとでは、腸ちょうから大量たいりょうの出血しゅっけつが起おきたり、脳のうの中なかで命いのちに関かかわる出血しゅっけつが起おきたりする可能性かのうせいがあります。

点状出血（口）

画像

DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY

斑状出血（あざ）

画像

DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY

医師いしは次つぎのことをします：

• 血液けつえきのサンプルに含ふくまれる血小板けっしょうばんの数かずを数かぞえる血液検査けつえきけんさ

• 血小板けっしょうばんが減少げんしょうするほかの原因げんいんがないか調しらべるための検査けんさ

まれに、体からだの中なかで血小板けっしょうばんがどれくらいつくられているかを調しらべるために、医師いしが骨髄こつずいを少すこしだけ取とって調しらべることもあります（骨髄生検こつずいせいけん）。

医師いしは次つぎの方法ほうほうで免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうを治療ちりょうします：

• コルチコステロイド

• 体内たいないで血小板けっしょうばんが増ふえるのを助たすける薬くすり

• 免疫めんえきの働はたらきを抑おさえる薬くすり

• まれに、脾臓ひぞうの手術しゅじゅつ（脾臓摘出術ひぞうてきしゅつじゅつ）

命いのちに関かかわる出血しゅっけつが起おきた場合ばあいは、医師いしが血小板輸血けっしょうばんゆけつをすることがあります。輸血ゆけつされた血小板けっしょうばんも血液中けつえきちゅうの抗体こうたいに攻撃こうげきされるため、ふつう血小板輸血けっしょうばんゆけつはうまくいきません。

脾臓ひぞうを取とり除のぞくと、血液中けつえきちゅうの血小板けっしょうばんの循環じゅんかんを維持いじしやすくなります。

大人おとなでは、免疫性めんえきせい血小板減少症けっしょうばんげんしょうしょうはふつう長ながく続つづきますが、子こどもでは自然しぜんによくなることが多おおいです。