ハンチントン病とはどのような病気ですか?
ハンチントン病は、脳の中の特定の神経細胞がゆっくり壊れていく遺伝性の病気です。
症状はふつう、35~40才で始まります。
この病気では、複数の部分が連動するなめらかな動きをするときに働く脳の一部が破壊されます。
動きが遅くなり、ぎこちなくなり、はっきりした話し方ができなくなります。
心の機能に影響して、気分が落ちこんでイライラして、記憶力や判断が悪くなります。
いったん症状が現れると、悪化し続けて、最後には13~15年で死亡します。
医師は血液検査をすることで、あなたにこの病気の原因になる遺伝子があるかどうかが分かります。
ハンチントン病の原因は何ですか?
ハンチントン病は、両親のどちらかから受けついだ遺伝子によって引き起こされます。その遺伝子は、人が何かを考えたり、複数の部分が連動するなめらかな動きをしたりするときに働く脳の一部をゆっくりと壊していきます。
ハンチントン病にはどのような症状がありますか?
症状はふつう、大人になってから始まります。
最初のころに最もよくみられる症状には、次のようなものがあります:
脚や腕の動きがぎこちなく、自分でコントロールできない
何度も起こるまばたき
きみょうで、ぎこちない歩き方
混乱、衝動を抑えられなくなる、抑うつ、怒りなど、精神や人格の変化
この病気が悪くなるにつれて、あなたは次のようになります:
記憶と、はっきりと考える力を失います(認知症)
着がえ、入浴、トイレを使うなどの基本の作業がしにくくなります。
最後には、フルタイムの介護が必要になります。ほとんどの人は、症状が現れてから13~15年後に亡くなります。
医師はどのようにして、私がハンチントン病かどうかを判断しますか?
あなたにハンチントン病の症状がある場合、医師は次のことをします:
検査でハンチントン病だと分かった場合や、家族の中にハンチントン病になった人がいる場合、医師は次のことを提案します:
遺伝カウンセリング
もしあなたがハンチントン病なら、遺伝カウンセリングを受けることで、子どもにこの病気が受けつがれる危険性を理解するのに役立ちます。
あなたがハンチントン病だと診断されていなくても、家族歴がある場合は、あなたが検査を受けたいかどうかを決めるときに、遺伝カウンセリングが役立ちます。命に関わる病気かどうかを知りたくない人もいます。自分の子どもが危険にさらされるかどうかを知りたいという人もいます。
医師はハンチントン病をどのように治療しますか?
治療法はありませんが、医師はあなたの症状の多くを治療して、あなたが将来の計画を立てる手助けをすることができます。次の薬を処方することがあります:
症状を軽くするための薬
気分が落ちこんでいる場合、抗うつ薬
事前指示書について、医師に相談するべきです。事前指示書とは、あなたがどのような医療を受けたいかを、あなたがまだできるうちに書いておき、医師と家族にはっきり知らせるための文書です。