脳膿瘍とはどのような病気ですか?
うみがたまった空洞を膿瘍といいます。脳膿瘍とは、脳の中にうみがたまった状態です。
体のほかの部分から感染が広がってくることで、脳膿瘍ができることがあります。
膿瘍は脳に圧力をかけます。
脳膿瘍は危険な病気で、命にかかわることもあります。
症状としては、頭痛、眠気、吐き気などのほか、体の左右片側だけ力が入らなくなったり、けいれん発作が起きたりすることもあります。
医師は頭のCT検査またはMRI検査をして、膿瘍を見つけます。
治療としては、抗菌薬を使うほか、膿瘍の中身を出すための手術をすることもあります。
脳膿瘍の原因は何ですか?
膿瘍は細菌、真菌、または寄生虫による感染症によって引き起こされます。ふつうは、感染が体のほかの部分から始まって、脳に広がります。
頭の別の部分(歯、副鼻腔、耳など)から感染が広がることがあります。
体の別の部分から、血液の流れに乗って感染が広がることもあります。
頭にひどいけがをしたときや、脳の手術を受けたときに、微生物が脳の中に入ってしまうこともあります。
HIV感染症など、免疫系の異常がある人では、トキソプラズマ症や真菌による脳膿瘍が起きやすいです。
脳膿瘍にはどのような症状がありますか?
脳膿瘍の症状はさまざまで、膿瘍がある場所と、そこが腫れている程度に応じて変わってきます。次のような症状があります:
発熱と寒気(早くから起きて、その後に消えることがあります)
頭痛
吐き気や嘔吐
とても強い眠気
体の片側だけ、力が入らない感じがする
考えるのが難しい
けいれん発作または昏睡
医師はどのようにして、私に脳膿瘍があるかどうかを判断しますか?
医師は脳膿瘍をどのように治療しますか?
医師は次の方法で脳膿瘍を治療します:
感染を治すために抗菌薬を4~6週間使う
脳の腫れを軽くするためのコルチコステロイドという薬
けいれん発作を予防するための薬
ときには、針で膿瘍の中身を出してしまう
ときには、膿瘍全体を取り除くための手術をする
免疫の働きを弱める病気がある場合には、その後もずっと抗菌薬が必要になることがあります。