植物状態とは何ですか?
植物状態とは、脳が傷ついてしまった人が、目を覚ましているように見えるのに、自分の意思で何かをすることがなく、周りで起きていることに反応しなくなった状態のことです。
植物状態の人は、呼吸、せき、あくび、飲み込みなど、無意識でできる基本的な動きはあるものの、自分の意思では何もしません。
回復する人もいますが、ほとんどの人は6カ月以内に亡くなります。
2~3カ月以上、植物状態になっている人が回復する可能性は低いです。
植物状態は、目が開いていて、目を覚ましているように見えるところが、昏睡とちがいます。
植物状態の原因は何ですか?
植物状態にはどのような症状がありますか?
植物状態の人は、次のことができます:
目を開ける、まばたきをする
規則的に眠ったり起きたりする
呼吸、吸う、かむ、えずく、せき、飲み込みなど、無意識でできる基本的な動きをする
大きな音におどろく
植物状態の人は、次のことができません:
周りで起きていることに気づく
話をしたり、指示に従ったりする
考えたり、自分の意思で体を動かしたりする(何か痛いものから体を離すなど)
尿や便を出すタイミングをコントロールする
意識がいくらかある人は、最小意識状態という状態かもしれません。
医師はどのようにして、ある人が植物状態かどうかを判断しますか?
医師は植物状態をどのように治療しますか?
植物状態をよくする治療法はありません。もともとの問題が何だったのかや、そのひどさによっては、少しだけ自然に回復することがあります。正常な状態にもどることはありませんが、話をしたり、人の話を理解したりすることができるようになる人はわずかにいます。
植物状態の人には、次のような長期間にわたるケアが必要です:
チューブで栄養を与える
床ずれを予防するために、こまめに寝返りをさせる
薬で血栓を予防する
筋肉のこわばりを予防するために、腕や脚を動かす
膀胱にチューブ(カテーテル)を入れて尿を出す
体をきれいにし、水浴びをさせる
植物状態が長い間続いていて、回復の見込みがみられない場合には、新たに病気や合併症が起きたときに命をのばすための治療をしない選択肢について、医師から家族に話があるかもしれません。医師と家族は、その人なら何を望むかをよく考えて、リビングウィル(事前指示書)に指示があればそれをよく読みます。