動脈とは、心臓から全身に血液を送っている血管のことです。動脈炎はあなたの動脈に起こる炎症のことです。血管の炎症のことをふつう、血管炎といいます。
巨細胞性動脈炎とはどのような病気ですか?
巨細胞性動脈炎は血管炎の一種で、太い動脈の一部に起こります。これは、こめかみ(頭の側面)の動脈にとてもよく起こるため、側頭動脈炎と呼ばれることもあります。
巨細胞性動脈炎はふつう、心臓から首や頭に向かう太い動脈に起こります。
巨細胞性動脈炎の原因は、医師たちにも分かっていません。
ふつうは、55才以上の人にしか起こりません。
激しい頭痛、かみの毛をとかしたときの頭皮の痛みや、ものをかむときのあごの痛みがみられることがあります。
すぐに治療を受けないと、巨細胞性動脈炎は失明や脳卒中につながる可能性があります。
医師は、血液検査とあなたの動脈の一部の生検(組織のサンプルを取り出す)を行います。
医師は、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドを高用量で飲むよう指示するでしょう。
巨細胞性動脈炎の原因は何ですか?
巨細胞性動脈炎の原因は、医師たちにも分かっていません。
巨細胞性動脈炎にはどのような症状がありますか?
巨細胞性動脈炎の症状は、急に始まることもあれば、数週間かけてゆっくりと現れることもあります。
熱が出る、汗が出る、疲れを感じる、体調がよくないなど、全身の症状が出ることがあります。約半数の人では、首、肩、股関節の筋肉がかたくなり痛みます。痛みとこわばりは朝に悪化しますが、これはリウマチ性多発筋痛症で起こるものと似ています。
特有の症状は、どの動脈に炎症が起きているかによって異なり、以下のものがあります:
あなたのこめかみや頭の後ろに起こるズキズキする激しい頭痛
かすみ目、複視、片目が突然見えなくなる
ものをかむときのあごの痛み
まれに、巨細胞性動脈炎が心臓から出ている太い動脈である大動脈に炎症を起こすことがあります。大動脈瘤や大動脈解離が原因で、胸に痛みが起きることもあります。
医師はどのようにして、私が巨細胞性動脈炎かどうかを判断しますか?
あなたの症状が巨細胞性動脈炎症らしくみえる場合、医師は以下のことを行います:
血液検査
側頭動脈の一部の生検(こめかみの動脈の一部を取り出して顕微鏡で調べる)
医師は巨細胞性動脈炎をどのように治療しますか?
巨細胞性動脈炎を治療するには、医師はあなたに以下の薬を飲んでもらいます:
高用量のコルチコステロイド(プレドニゾン[日本ではプレドニゾロン]など)
失明を予防するために、医師はできるだけ早くあなたに薬を出すようにします。
医師は約1カ月後にプレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)の量を減らそうとします。しかし、あなたは長い間にわたって(場合によっては最長2年間)、より少ない量を飲み続ける必要があることもあります。コルチコステロイドを長い間にわたって飲んでいる人には、次のことが起こる可能性があります:
医師は骨量が少なくなるのを予防するためにカルシウムとビタミンDを処方することがあります。医師は脳卒中を予防するために、あなたに少ない量のアスピリンを毎日飲んでもらいます。