憩室炎けいしつえん

憩室炎けいしつえんは憩室症けいしつしょうの合併症がっぺいしょうです。腸ちょうの壁かべに袋ふくろのような小ちいさなくぼみ（憩室けいしつ）ができると、その中なかに便べんや細菌さいきんが入はいりこみます。その細菌さいきんが感染症かんせんしょうを引ひき起おこします。

• 症状しょうじょうとしては、腹部ふくぶの左下ひだりしたの部分ぶぶんの痛いたみ、さわると痛いたい、発熱はつねつなどがあります。

• 医師いしはCT検査けんさで憩室炎けいしつえんを見みつけます。

• 治療法ちりょうほうとしては、静しずかに休やすむことや、流動食りゅうどうしょく、抗菌薬こうきんやくなどがあります。

• 重おもい症状しょうじょうがある場合ばあいは、入院にゅういんや、場合ばあいによっては手術しゅじゅつが必要ひつようになることがあります。

憩室けいしつができた大腸だいちょう

憩室けいしつは、大腸だいちょうの中なかにできる、風船ふうせんのような形かたちをした袋ふくろです。

憩室炎けいしつえんは、大腸だいちょうの壁かべに袋ふくろのようなくぼみができる病気びょうきである憩室症けいしつしょうの人ひとに起おこります。

ときに、便べんや細菌さいきんが袋ふくろ（憩室けいしつ）の1つに入はいりこんで、炎症えんしょうや感染症かんせんしょうを引ひき起おこします。

• 憩室炎けいしつえんはふつう、大腸だいちょうの最もっとも低ひくいところにある部分ぶぶんで起おきます。

• 憩室炎けいしつえんは、高齢こうれいの人ひとやコルチコステロイドという薬くすりを飲のんでいる人ひとがかかると、深刻しんこくになりやすいです。

もしあなたが憩室症けいしつしょうで、次つぎのことがらに当あてはまるなら、あなたは憩室炎けいしつえんになりやすいです：

• 高齢こうれいの人ひと

• 体重たいじゅうが重おもすぎる

• 運動うんどうをしない

• タバコを吸すっている

• 脂肪しぼうが多おおく、食物繊維しょくもつせんいが少すくない食事しょくじをとっている

• コルチコステロイド、オピオイドという種類しゅるいの痛いたみ止どめ、抗炎症薬こうえんしょうやくなど、一部いちぶの薬くすりを飲のんでいる

憩室炎けいしつえんは次つぎの症状しょうじょうを引ひき起おこします：

• 腹部ふくぶの左下ひだりしたの部分ぶぶんの痛いたみ

• さわると痛いたい

• 発熱はつねつ

憩室炎けいしつえんは、次つぎのような問題もんだいを引ひき起おこすことがあります：

• 膿瘍のうよう（膿うみがたまった袋ふくろ）

• 近ちかくの臓器ぞうきの感染症かんせんしょうや、お腹なかの中なかの臓器ぞうきと臓器ぞうきの間あいだにあるすきまの感染症かんせんしょう（腹膜炎ふくまくえん）

• ほかの臓器ぞうきが正ただしく働はたらかなくなる深刻しんこくな血液けつえきの感染症かんせんしょう（敗血症はいけつしょう）

• 腸ちょうの傷きずあとが原因げんいんの腸閉塞ちょうへいそく（腸ちょうがつまること）

• 瘻孔ろうこう（腸ちょうと膀胱ぼうこうなど、ふつうはつながっていない2つの臓器ぞうきがつながった状態じょうたい）

憩室炎けいしつえんの合併症がっぺいしょう

医師いしはふつう、次つぎのような検査けんさをします：

• CT検査けんさ

• 感染症かんせんしょうなど、腹部ふくぶの痛いたみを引ひき起おこす異常いじょうがないか調しらべるための血液検査けつえきけんさ

軽かるい憩室炎けいしつえんなら、あなたが自宅じたくで次つぎのようにすることで治療ちりょうできます：

• 静しずかに休やすむ

• 特別とくべつな食事しょくじをとる（数日すうじつは、すんだスープ、ジュース、水みずなどの液体えきたいだけにして、その後ごは、卵たまごや火ひを通とおした野菜やさい、ヨーグルトなどのやわらかい食たべものを少すこしずつ加くわえていく）

• 痛いたみ止どめの薬くすり

• 場合ばあいにより、抗菌薬こうきんやく

もし深刻しんこくな症状しょうじょうがあるなら、あなたは治療ちりょうを受うけるために入院にゅういんする必要ひつようがあります。治療法ちりょうほうとしては次つぎのものがあります：

• 点滴てんてきをして、水分すいぶんを補給ほきゅうし、抗菌薬こうきんやくを静脈じょうみゃくに入いれる

• 痛いたみ止どめの薬くすり

• ベッドで静しずかに休やすむ

• 症状しょうじょうがなくなるまで何なにも食たべない

• 必要ひつようなら、皮膚ひふに針はりを刺さして、感染かんせんを起おこして膿うみの袋ふくろ（膿瘍のうよう）ができたところから、膿うみを吸すい出だす

次つぎの場合ばあいには、緊急きんきゅうの手術しゅじゅつが必要ひつようになります：

• 症状しょうじょうがよくならないか悪わるくなるとき

• 痛いたみ、さわったときの痛いたみ、発熱はつねつが悪わるくなったとき

• 腸ちょうがつまっているとき

• 腸ちょうが破やぶれて、お腹なかの中なかの表面ひょうめんに感染症かんせんしょう（腹膜炎ふくまくえん）が起おきたとき

• 膿瘍のうようがあって、膿うみを出だす必要ひつようがあるとき

医師いしは、腸ちょうの破やぶれたところを切きり取とります。それから、腸ちょうをもう一度いちどつなぐか、一時的いちじてきな人工肛門造設術じんこうこうもんぞうせつじゅつを行おこないます。人工肛門造設術じんこうこうもんぞうせつじゅつとは、切きった腸ちょうの端はしを、腹部ふくぶに作つくった出口でぐちにつなげる手術しゅじゅつです。腸ちょうが治なおるまでの間あいだ、便べんを人工肛門じんこうこうもんに付つけた袋ふくろに出だすようにします。

腸ちょうにできた瘻孔ろうこうも手術しゅじゅつで治療ちりょうできます。

ふつうは、具合ぐあいがよくなってから1～3カ月げつたった後あとに、医師いしが大腸内視鏡検査だいちょうないしきょうけんさ（小ちいさなカメラとライトが付ついた細ほそい管くだを肛門こうもんから腸ちょうの中なかに入いれて、大腸だいちょうの中なかを見みる検査けんさ）をして、最初さいしょの症状しょうじょうを引ひき起おこしたのが大腸だいちょうがんではないことを確たしかめます。

医師いしはまた、あなたに次つぎのように指示しじします：

• 食物繊維しょくもつせんいをもっと食たべる

• 運動うんどうする

• 太ふとっている場合ばあいは体重たいじゅうを減へらす

• タバコをやめる

憩室炎けいしつえんの症状しょうじょうがまた起おきたら、医師いしに相談そうだんすることが大切たいせつです。