COPDとはどのような病気ですか?
COPDは、呼吸するのが難しくなる肺の病気です。肺から空気をはき出すのが困難になります。空気をはき出すのが困難な状態を慢性気流閉塞と呼びます。
COPDの最も多い原因はタバコを吸うことです。
COPDになると、せきが出て、息が切れます。
禁煙すると気道を開いた状態にしておくのに助けになります。
医師は、症状が出なくなったり、症状をやわらげたりするのに役立つ薬を出します。
重いCOPDにかかっている場合は、ほかの薬を飲んだり、酸素を使ったり、呼吸リハビリテーションを受けたりする必要があるでしょう。
COPDには、慢性閉塞性気管支炎と肺気腫という2つの病気があります。多くの場合、両方の病気にかかります。
慢性閉塞性気管支炎では、せきと一緒に濃い液体(肺からの粘液)が出てきて、それが連続する2年以上にわたって少なくとも合計で3カ月続きます。気流の閉塞や呼吸の問題も一緒に起こります。
肺気腫では、肺の中にある空気の袋が損傷します。
COPDの原因は何ですか?
COPDの最も多い原因はタバコを吸うことです。そのほかの一般的な原因には次のものがあります
葉巻を吸ったりパイプでタバコを吸ったりする
化学物質の煙、ほこり、汚染物質、濃い煙を吸い込む
遺伝的な傾向(つまり、家族にCOPDにかかっている人がいる)
COPDにはどのような症状がありますか?
COPDは数年かけて起こり、悪くなっていきます。
40才代または50才代では、次の症状がみられます:
ふつうは朝に、軽いせきと一緒に透明なたん(肺からの粘液)が出てくる
運動したり動き回ったりすると息が切れる
60才代では、次の症状がみられます:
呼吸が困難になる(特にタバコを吸っている場合)
肺炎などの肺の感染症にかかる(入院が必要となることもあります)
体重が減る
朝に頭痛がする
脚が腫れることがある
せきといっしょに血が出ることがある
長い間COPDにかかっていると、次のことに気づく場合があります:
肺に空気が閉じ込められているため、胸が大きくなる
血液中の酸素が少ないため、皮膚の色が青っぽくなる
何もしていないのに息切れがする
COPD急性増悪時の症状
COPDの急性増悪とは、症状が突然悪化することです。急性増悪はどの年齢の人でも起こる可能性があります。ふつうは、空気中の汚染物質や花粉を吸い込むことで引き起こされます。また、かぜやインフルエンザなどの呼吸に影響を与える病気が原因で起こることもあります。次のような症状がある場合は、すぐに病院に行ってください:
黄色または緑色のたんの量が増えるせき
安静にしているのに息切れがする
熱が出たり、体が痛いことがある
急性増悪が深刻になると、血液中の酸素の量が危険なレベルまで少なくなることがあります(急性呼吸不全と呼ばれる状態)。次のような症状がある場合は、すぐに救急医療機関に行ってください:
水におぼれているように感じるぐらいの重い息切れがする
不安や混乱がみられる
汗が出ている
皮膚が青っぽい(血液中の酸素の量が低下していることによる)
医師はどのようにして、私がCOPDかどうかを判断しますか?
医師はCOPDをどのように治療しますか?
医師は肺や気道が傷ついているのを治すことはできません。
もしあなたがタバコを吸っている場合は、COPDが悪くならないように禁煙する必要があります。医師は、禁煙するのを助けるために、ニコチンガムやパッチなどの薬を出すことがあります。
医師は、気流を増やして呼吸しやすくする薬を出すこともあります。症状を予防するために使う薬もあれば、症状をやわらげるために使う薬もあります。COPDの薬の中には、吸入器で吸い込むものもあります。これにより、肺の中に薬を直接吸い込むことができます。
血液中の酸素の量を増やすために酸素療法が必要になることもあります。酸素はふつう、カニューレといわれる管を使って鼻から吸い込みます。
生活の質を改善するため、医師は、呼吸リハビリテーションを受けるよう勧めることもあります。
COPDの深刻な症状や急性増悪を治療するために、入院が必要になることがあります。感染によって急性増悪が起きた場合、抗菌薬が必要になるかもしれません。
もしCOPDになったら、私には何ができますか?
あなたの行動を変えましょう:
禁煙しましょう。
タバコの煙、大気汚染、花粉などの空気中の刺激物を避けましょう。
インフルエンザや肺炎を予防する注射(予防接種)を打つことについて医師に相談しましょう。
毎日、健康的な食べものを食べましょう(特に体重が減っていて、その原因がわからない場合)。
炭酸飲料やコーヒーの代わりに水を飲みましょう(肺のたんが濃くなるのを防ぐことができます)。
前もって計画をしましょう:
COPDがとても深刻になると、日常生活を送るのに助けが必要になり、医療の助けも必要になります。COPDが進行した人では、心臓の病気や動脈の詰まり、肺炎や肺がんなどの肺の病気によって、具合が悪くなったり死んでしまったりする可能性が高くなります。生き続けるために呼吸器が必要になることもあります。
自分がどのような医療を受けたいかを自分で決められなくなったときに備えて、事前に家族と話し合っておきましょう。事前指示書と呼ばれる法的な文書を作成して、あなたが決めたことを書いておくとよいでしょう。