カンジダ症とはどのような病気ですか?
カンジダ症は、カンジダという酵母による感染症です。酵母は真菌の一種ですから、カンジダ症は真菌感染症の一種です。カンジダはふつう、体の表面に少しだけ住みついていて、症状を引き起こしません。しかし、異常に増えたり、感染症を起こしたりすることが、ときどきあります。
カンジダ症はふつう、皮膚、口、腟など、体の表面で起こります。
免疫の働きが弱まっている人では、内臓のカンジダ症(全身性カンジダ症)が起こることがあり、命にかかわることもあります。
カンジダ症になると、赤み、発疹、かゆみ、腫れや、クリーム状の白い病変がみられることがあります。
おむつ皮膚炎(おむつかぶれ)の一部は、カンジダ症が原因で起こることがあります。
医師はカンジダ症をクリーム剤や飲み薬で治療します。
カンジダ症の原因は何ですか?
カンジダ症は、カンジダという真菌が原因で起こり、この真菌はふつう、体の表面に少しだけ住みついています。量が少ないときは、あなたはこれには気づきません。この真菌が増えすぎると、発疹が現れます。
真菌が増えすぎる原因としては、次のものがあります。
きつい下着やブラジャーなど、汗で体がむれてしまう服を着ている
赤ちゃんにぬれたり汚れたりしているおむつを長い時間はかせる
糖尿病がある
HIV感染症やがんなどの病気のために免疫の働きが弱まっている
抗菌薬を飲んでいる
真菌は、人の体の暗くてしめった部分に好んで住みつきます。そのため、カンジダ症は次の場所によく起こります。
肥満の人にできる皮膚のひだの下
口の中
女の人の乳房の下
脚の付け根や腟
カンジダ症にはどのような症状がありますか?
症状は、次のようにカンジダ症が起きた場所によって変わります。
皮膚:皮膚がすりむけた明るい赤色の発疹
腟の中:白い病変とチーズのような白いおりもの
口の中:白い病変(鵞口瘡)
口角:皮膚のひび割れ
クリーム状の白い斑が口の中にみられますが、これらの斑をこすり取ると、出血することがあります。この所見は、カンジダ(Candida)属真菌の感染により生じた鵞口瘡に典型的なものです。
Image provided by Thomas Habif, MD.
この写真には、口角に生じたカンジダ(Candida)感染症に起因する口角口唇炎(ときに口角びらんとも呼ばれます)が写っています。
© Springer Science+Business Media
カンジダ属(Candida)真菌による爪の感染症では、爪甲(爪真菌症―爪の付け根側にみられます)や爪の辺縁(爪周囲炎)に病変が生じます。
Image courtesy of CDC/Sherry Brinkman via the Public Health Image Library of the Centers for Disease Control and Prevention.
この写真には、カンジダ属(Candida)の真菌によって引き起こされた発疹が写っています。
Image provided by Thomas Habif, MD.
この写真には、真菌感染症によって腟が赤くはれ、白い分泌物が生じている様子が写っています。
BIOPHOTO ASSOCIATES/SCIENCE PHOTO LIBRARY
医師はどのようにして、私がカンジダ症かどうかを判断しますか?
医師はふつう、病変を見るだけで、あなたがカンジダ症かどうかを判断できます。確かめるために、医師が病変を少しこすり取って、顕微鏡で調べることがあります。
医師はカンジダ症をどのように治療しますか?
治療法は、カンジダ症が起きた場所によって変わります。
皮膚の感染症に対しては、医師はあなたに次のことをするように指示します。
感染した部分に抗真菌薬のクリーム、パウダー、またはそのほかの製品をぬる
皮膚を乾いた状態に保つ(たとえば、赤ちゃんのおむつがえの回数を増やす)
感染症が重い場合は、薬を飲む
腟のカンジダ症に対しては、医師はあなたに次のことをするように指示します。
腟の中と周りに抗真菌薬のクリームをぬる
場合により、薬を飲む
大人の鵞口瘡に対しては、医師はあなたに次のことをするように指示します。
抗真菌薬を飲む
場合によっては、液体の抗真菌薬(ナイスタチン)でうがいをする
赤ちゃんの鵞口瘡に対しては、医師はあなたに、赤ちゃんの口の中に液体の抗真菌薬をぬるように指示します。