ガンマ-ヒドロキシ酪酸(GHBまたは「G」)は経口で、通常は液剤で摂取される薬物です。作用はケタミンやアルコールと似ています。
(薬物使用と薬物乱用も参照のこと。)
GHB使用の症状
GHBはリラックスした静穏な感覚をもたらします。また、疲労感や脱抑制が生じることがあります。
GHBを大量に使用すると、次のような症状が生じることがあります。
めまい
協調運動障害
吐き気
嘔吐
高用量のGHBは呼吸を抑制し、けいれん発作や昏睡を引き起こし、場合によっては死に至ることもあります。GHBを鎮静作用のある他の物質、特にアルコールと一緒に服用すると非常に危険です。死亡したケースの大半は、GHBとアルコールを一緒に摂取したときに起きています。
GHBを常用していた人が数日間使用しないでいると離脱症状が生じます。離脱症状はアルコール離脱症状と類似しており(振戦、頭痛、発汗、吐き気、けいれん発作など)、生命を脅かす可能性があります。
GHB使用の診断
医師による評価
診断は、GHBの使用が判明している人の症状に基づいて下されます。GHBの使用を確定できる簡便な検査はありません。
GHB使用の治療
精神状態が正常になるまでの経過観察とモニタリング
ときに、呼吸の補助
GHBの使用による合併症の治療は症状に対して行います。呼吸障害を起こした場合は人工呼吸器を使用します。大半の人はすぐに回復します。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国国立薬物乱用研究所(National Institute on Drug Abuse:NIDA):薬物使用とその影響に関する科学的調査研究を支援し、よく使用されている薬物、研究の優先度と進行状況、臨床情報源、助成金と資金提供の機会に関する情報を提供する米国連邦機関による、GHBに特化した情報です。
米国薬物乱用・精神衛生サービス局(Substance Abuse and Mental Health Services Administration:SAMHSA):行動面の健康を促進する公衆衛生活動を主導し、治療を提供する場所の情報、フリーダイヤルの相談窓口、医療従事者訓練ツール、統計、物質関連の様々な話題に関する出版物などの情報を提供する米国保健福祉省の機関です。