皮膚嚢腫

(表皮封入嚢腫[類表皮嚢胞]、稗粒腫、毛髪嚢腫、外毛根鞘嚢腫、粉瘤)

執筆者:Denise M. Aaron, MD, Dartmouth Geisel School of Medicine
レビュー/改訂 2022年 1月
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やさしくわかる病気事典

皮膚嚢腫は、徐々に大きくなっていく隆起した腫瘍で、よくみられます。表皮封入嚢腫は最も一般的な皮膚嚢腫です。

    皮膚の良性腫瘍の概要も参照のこと。)

    表皮封入嚢腫(類表皮嚢胞)は、しばしば脂腺嚢腫と間違われますが、色は周囲の皮膚と同じで、大きさは最大直径約5センチメートル程で様々です。多くの場合、上に大きな穴があります。体のどこにでもできますが、最もよくできる部位は背中、頭部、首です。嚢腫は硬く感じられることが多く、押すと皮膚の下で簡単に動きます。その中には皮膚の分泌物からなる悪臭を伴うチーズ状の物質が入っています。表皮嚢腫は、皮膚の下で破れ、炎症や感染症を引き起こさない限りは痛みません。

    稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、皮膚の浅いところにできる小さな表皮封入嚢腫です。顔面と頭皮に最もよく生じます。

    毛髪嚢腫(外毛根鞘嚢腫または粉瘤)は、表皮封入嚢腫と同じに見えることがあります。毛髪嚢腫の約90%は頭皮に生じます。外毛根鞘嚢腫の生じやすさは遺伝することもあります。

    皮膚嚢腫は、麻酔薬を注射して患部の感覚をなくしてから手術で切除します。嚢腫の壁は完全に取り除く必要があり、この部分が残っていると再発します。皮膚の下で嚢腫が破れた場合は、切開して内容物を排出させる必要があります。小さくても気になる場合は、切開して内容物を排出させることができます。

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