胸腔

執筆者:Rebecca Dezube, MD, MHS, Johns Hopkins University
レビュー/改訂 2023年 1月
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    胸腔は、胸椎、肋骨、胸骨、横隔膜で囲まれた領域です。肺は胸腔内に収まっており、胸腔には縦隔というスペースもあります。(呼吸器系の概要も参照のこと。)

    縦隔は胸の中央に位置しており、そこには心臓、胸腺、リンパ節のほか、大動脈、大静脈、気管、食道、様々な神経の一部が含まれています。縦隔は、前側が胸骨、後ろ側が脊柱、上側が胸腔への入り口、下側が横隔膜で仕切られた領域です。縦隔は、左右の肺がそれぞれ別の胸腔として機能するよう、左右の肺を独立させる役目を担っています。例えば、片方の胸壁に穴があいたとすると、そちら側の肺はつぶれてしまいますが、もう片方の肺は膨らんだまま機能を保ちます。これは2つの肺が縦隔によってそれぞれ分かれているためです。

    縦隔の位置

    胸骨、肋骨、脊椎からなるかご型の骨組み(胸郭と呼ばれます)によって、胸部にある肺やその他の器官が保護されています。12対の肋骨は、背後から胸部を取り囲むようにカーブしています。1対毎に脊椎の骨(椎骨)とつながっています。肋骨の上側の7対は、体の前で軟骨によって胸骨とつながっています。8~10番目の肋骨は、それぞれ1つ上の肋骨の軟骨と連結しています。最も下側の2対(浮遊肋)は他の肋骨より短く、前面ではつながっていません(図「呼吸時の横隔膜の役割」を参照)。

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