ある病気の診断を初めて受けると、多くの場合、情報の要点をまとめた資料が医師やその他の医療専門職から提供されます。(医療の最大限活用に関する序論も参照のこと。)
自分の病気についてもっと知りたいと思う人には、ほかにも多くの情報源があります。米国ではインターネットを利用するのが一般的で、検索エンジン(Googleなど)で用語を検索したり、ソーシャルメディアでつながっている人に質問したりします。ただし、インターネットからは膨大な情報が得られるものの、その情報の正確性には大きなばらつきがあります。インターネット上の情報源の信頼性を判断するのは難しいかもしれません。情報を見つけるほかの方法として、医師、看護師、その他の医療専門家に、その病気について教えてくれるよう頼んだり、信頼できる情報源を紹介してくれるよう頼んだりすることもできます。地域、大学、病院の図書館の一部にも、研究図書館員など、有用な情報源があります。
一般に、政府の医療情報源は信頼できます。インターネットでは、次の機関が一般向けに、正確で役に立つ大量の情報を提供しています。
これらのサイトには、有用で信頼できる他のサイトへのリンクも掲載されています。主要な医療システムや地域の医療システムのなかには、患者と医師のために疾患および治療に関する信頼性の高いオンラインリソースを提供し続けているものもあります。特定の病気を対象とした患者向けのサイトも数多くあり(全米多発性硬化症協会やアルツハイマー協会など)、特定の病気をもつ人々に向けて情報が提供されています。対照的に、特定の製品や特定のサービスの販売を目的として作られたサイトは、信頼性に欠ける場合があります。それらの情報は偏りがあったり、不正確であったりする場合があります。
支援団体から役立つ情報のほか、心理的な支援が提供されている場合もあります。そのような団体は、地方新聞、病院、診療所、その他の医療機関、インターネットを通じて探すことができます。米国では大半の都市に支援団体があり、特定の病気に対象を絞った団体もあります。例えば、ギルダスクラブ(Gilda’s Club)は米国のいくつもの都市にあり、がんとともに生きる人々を支援しています。同じ病気をもつ人や同じ病気の患者を介護している人から、例えば専用の器具の部品はどこで入手できるか、どの器具が最も効果的か、ある病気の人にはどのように接してケアすればよいかなど、日々の生活に役立つ実用的かつ効果的なアドバイスをたくさん得ることができます。
インターネットのチャットルームも情報源の1つです。そのようなサイトは特定の病気についてのコミュニケーションの場となっていて、情報源の共有に役立ちますが、それらのサイトに掲載されている情報は特に、科学的な妥当性があると思い込んではいけません。ある人の個人的な病気の体験や助言は、同じ病気の別の人にも適切であるとは限りません。
さらなる情報
以下の英語の資料が役に立つかもしれません。最後のものを除き、これらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。
米国医療研究・品質調査機構(Agency for Healthcare Research and Quality[AHRQ]):この組織は、より安全で、よりアクセスしやすく、より公平で、無理なく手が届く医療を実現することで、医療の質を向上させるための科学的根拠を作成しています。
米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention[CDC]):CDCは米国保健福祉省(US Department of Health and Human Services)の1組織であり、科学的根拠に基づいたデータ主導型の健康情報を提供しています。
米国国立衛生研究所(National Institutes of Health[NIH]):このサイトでは、健康情報、臨床試験に関する最新情報、ならびに学生および教育者向けの科学教育リソースへのアクセスを提供しています。