熱性けいれんとはどのような病気ですか?
熱性けいれんは、発熱が原因で子どもに起きることがある、けいれんのことです。そのけいれん発作は:
高熱が引き金になって起こります。
ほとんどの場合、ほかの点では健康な生後6カ月から3才までの子どもに起こります。
続く時間は15分未満です。
ふつうは、起きやすい体質が家族の中で受けつがれます。
熱性けいれんを起こす子どもの多くは、1回しか熱性けいれんになりません。
熱性けいれんは、見た目がおそろしいこともありますが、害はありません。しかし、脳の感染症(髄膜炎)などの深刻な病気の中に、発熱とけいれん発作の両方を引き起こすものがあります。そのような場合、けいれん発作の原因は発熱ではなく、深刻な病気の方です。深刻な病気によるけいれん発作は、熱性けいれんとはみなされません。
熱性けいれんの原因は何ですか?
熱性けいれんは、発熱が引き金になって起こります。発熱は、かぜや耳の感染症など、軽い感染症によって引き起こされることが多いです。子どもが発熱すると、けいれん発作が起きることがある理由は、分かっていません。
熱性けいれんにはどのような症状がありますか?
熱性けいれんには、単純型と複雑型の2種類があります。種類によって症状が変わります。
単純型:
全身のふるえが起きて、15分未満で治まる
複雑型:
全身のふるえが起きて、15分以上続く(ずっと続く場合もあれば、とちゅうで何度か止まる場合もある)、または
体の片側だけがふるえる、または
けいれん発作が24時間のうちに2回以上起こる
けいれん発作が起きている間は、お子さんはあなたのことが分からず、話をすることもできません。それでも、お子さんは呼吸をし続けます。
医師はどのような検査をしますか?
発熱を引き起こす一部の深刻な脳の感染症でも、けいれん発作が起きますので、医師はお子さんの検査をする必要があります。お子さんにけいれん発作が起こり、次のことに当てはまる場合は、お子さんを緊急で病院に連れて行ってください:
発熱がある、または
これまでにけいれん発作を起こしたことがない、または
とても具合が悪い
医師は、お子さんの症状について質問し、お子さんの診察をします。
そこで分かったことによっては、医師がほかの深刻な病気がないか調べるための検査をすることがあります。次の検査が必要になるかもしれません:
ほとんどの子どもには、このような追加の検査は必要ありません。ほとんどの子どもは、熱性けいれんは1回しか起こしません。
医師は熱性けいれんをどのように治療しますか?
けいれん発作が15分未満で治まった場合:
発熱を抑えるための薬
ほかの治療はふつうしない
けいれん発作が15分以上続く場合:
けいれん発作を止めるための薬(抗てんかん薬)
ほとんどの場合、けいれん発作を予防するために薬を毎日飲む必要はありません。医師は、次のことがあった子どもにだけ、けいれん発作を予防するための薬を出します:
熱性けいれんを何度も起こした
けいれん発作が長く続いた
私の子どもには、またけいれん発作が起こりますか?
もしお子さんに単純型熱性けいれんが1回か2回あったなら、お子さんはほかの子どもと比べて、けいれん性疾患(発熱のないけいれん発作)になる可能性がほんの少しだけ高いです。もしお子さんに複雑型熱性けいれんやほかの医学的な問題があるなら、お子さんはけいれん性疾患になりやすいです。