胃食道逆流症(GERD)とはどのような病気ですか?
GERD(酸の逆流)は、胃の中の物や胃酸が食道に逆流することで起こる病気です。食道は、のどと胃をつないでいる管です。胃食道逆流症は大人にもよく起こります。
胃酸が食道に刺激を与えたり傷つけたりすることがあります。
胃酸がお子さんののどに入って気管を下っていくこともあります。
ほぼすべての赤ちゃんで逆流はあるもので、ときどき吐き出してしまうこともあります。
胃食道逆流症の赤ちゃんは、嘔吐したり、食べるときや呼吸するときに問題が起きたり、ぐずったりすることがあります。
子どもには胸や腹部の痛み、あるいは胸やけがみられることがあります。
医師はお子さんの食事や食べさせ方を変えさせ、胃酸の分泌を抑える薬を処方します。
ほとんどの赤ちゃんの逆流は、成長とともに生後18カ月ごろまでに起きなくなります。
子どもの逆流の原因は何ですか?
食道の出口は、輪っかの形をした筋肉で閉じられています。胃食道逆流症は、その筋肉で食道が完全に閉じられず、胃の中のものが上に逆流して、食道に入ったときに起こります。
次のような原因があります:
食道の下の方にある筋肉の力が弱いか、しっかり発達していない
食べすぎや長引く肺の病気などから、お子さんの胃に圧力がかかりすぎている
お子さんに次のことが当てはまる場合、逆流が起こりやすくなります:
授乳しているときや、その後にあお向けに寝かせている
食べものや牛乳のアレルギーがある
タバコの煙の近くにいる
母親の母乳からカフェインやニコチンをもらっている
子どもの胃食道逆流にはどのような症状がありますか?
逆流の症状はふつう、生後まもなく始まり、生後6~7カ月ごろに最もひどくなります。その後、症状はゆっくりと治まっていき、ふつうは生後18カ月ごろまでになくなります。
赤ちゃんの場合、最もよくある症状は次のものです:
嘔吐
たくさん吐き出す
赤ちゃんがたくさん嘔吐すると、体重が正常に増えないことがあります。胃酸がのどや気管の中に入ると、赤ちゃんがせきをしたり、喘鳴が聞こえたりすることがあります。
子どもの場合、最もよくある症状は次のものです:
胸の痛み
腹部の痛み
ときに胸やけ(焼けつくような胸の痛み)
青年の場合、最もよくある症状は次のものです:
胸やけ
医師はどのようにして、私の子どもに逆流があるかどうかを判断しますか?
医師はたいていの場合、お子さんの症状をもとに逆流を診断します。お子さんの症状がひどい場合は、医師は次のような検査をすることがあります:
バリウム検査(バリウムを飲んで、医師が消化管をくわしく見られるようにして行うX線検査)
医師は子どもの胃食道逆流症をどのように治療しますか?
胃食道逆流症の治療法は、お子さんの年齢と症状によって変わってきます。
赤ちゃんの場合、医師はあなたに次のように指示することがあります:
ライスシリアルでミルクにとろみを出す
赤ちゃんの体を少し起こして食べさせる
赤ちゃんにげっぷをさせる回数を増やす
アレルギーを起こさない特別なミルク(低アレルギー乳)を使う
赤ちゃんにときどき制酸薬を飲ませる
ときどきベビーベッドの頭の方を15センチほど高くする
それより大きな子どもの場合、医師はお子さんに次のようにしてもらいます:
寝る前の2~3時間は何も食べない
ソフトドリンクなどの泡の出る飲みもの(炭酸飲料)や、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲まない
一部の薬を飲まない
チョコレートや油の多い食べものなど、一部の食べものは食べないようにするか、食べすぎないようにする
子どもはカフェインやタバコの煙から遠ざけておくべきです。