MRI検査とはどのような検査ですか?
MRI検査は、強力な磁石を使った装置で体の中の写真をとる検査です。コンピュータがあなたの体中の磁場の変化を記録します。その後、コンピュータはこの変化を利用して、一連のくわしい画像を作ります。それぞれの画像は、体をうすく切り取ったように見えます。コンピュータで、体の中の3D画像を作ることもできます。CT検査やPET検査とちがって、MRI検査はX線(放射線)を使いません。
MRI検査はX線や放射線を使わないため、ふつうはとても安全です。
ふつう、MRI検査ではCT検査よりもくわしいことが分かりますが、MRI検査の方がはるかに時間がかかり、不快です。
強力な磁石を使うため、もしあなたの体の中に特定の種類の金属が入っているなら、あなたはMRI検査を受けられません。
ほとんどのMRI装置では、狭いトンネルの中に入るため、とても不安(閉所恐怖症)になって検査ができない人もいます。
開口部が広いMRI装置(「オープン型MRI」)もあり、これはそれほど苦になりません。
Image provided by Jon A Jacobson, MD.
私はなぜMRI検査を受けなければいけないのですか?
医師は、次のものを見つけたり確かめたりするためにくわしい情報が必要なときに、CT検査ではなくMRI検査をすることがあります:
脳、脊髄、筋肉、肝臓の異常
女性の生殖器の異常
股関節や骨盤の骨折
関節の異常(断裂やねんざなど)
出血や感染症
次の場合、医師はCT検査の代わりにMRI検査を選ぶことがあります:
CT検査で使う種類の造影剤に対するアレルギー反応(くしゃみ、発疹、呼吸が苦しくなるなど)が起きたことがある場合
妊娠している場合(CT検査では放射線が出て、MRI検査では放射線が出ないため)
MRI検査では、どのようなことをしますか?
検査の前
ポケットを空にして、アクセサリー、ベルト、そのほかの金属製のものをすべて外します。たいてい、服は着たままでかまいません。
場合によっては、医師は静脈や関節の中に液体(常磁性造影剤といいます)を注入することがあります。MRI検査用の造影剤を使うと、体の特定の部分がさらにはっきりと写るようになります。
もしMRI装置に閉じこめられることを不安に感じるなら、医師は気分をリラックスさせる薬を使うことがあります。
検査中
まず台の上に横になって動かないようにし、そして台が筒のような形をした大きな装置の中を通っていきます。
医師は、装置から出るゴンゴンという大きな音が聞こえないようにするために、ヘッドホンや耳栓をつけさせることがあります。
医師から、特定のタイミングで息を止めるように指示されることがあります。
検査にはふつう、20~60分間かかります。
検査の後
ふだんの生活にもどることができます。
MRI検査では、どのような問題が起こりますか?
CT検査よりも時間がかかる
MRI検査はCT検査よりも時間がかかります。この検査は、深刻なけがや脳卒中がある場合など、すぐに結果が必要な緊急事態ではあまり使われません。
狭くて閉ざされた空間
ほとんどのMRI装置は狭くて閉ざされています。閉ざされた空間をふだんはこわいと思っていなくても、検査中に閉所恐怖(閉ざされた空間にいるのがこわいこと)を感じるかもしれません。また、体のとても大きい人は装置の中に入りきらないことがあります。
MRI装置には、一方向が開いている大型の筒のようなものでできているものもあります(オープン型MRI)。しかし、得られる画像がふつうの装置のものほどはっきりしていません。
磁場の問題
体の中に特定の種類の金属が入っている場合は、MRI検査の磁場が問題になることがあります。MRI検査の技師は、体の中に入っているすべての金属について質問します。金属には安全なものとそうでないものがあります。技師は、特定のMRI装置で何が安全かについてのくわしいリストを持っています。しかしふつう、MRI検査は次のものに対して問題になります:
心臓のペースメーカー、除細動器、人工内耳など、磁石でコントロールされる医療機器(MRI検査によって機器が故障することがある)
ワイヤーなどの電気を通す金属を使った医療機器(MRI検査によって機器が熱くなり、やけどをすることがある)
鉄などの、磁石で引き寄せられる金属(MRI検査によってこの金属が体の中で動くことがあります)
よくある歯科インプラント、人工股関節、背骨をまっすぐにするためのロッドなど、一部の医療機器はMRI検査をしても安全です。
造影剤(使った場合)に対するアレルギー反応
MRI検査で使われる造影剤に対するアレルギー反応は、CT検査よりも起こる可能性が低くなります。しかし、頭痛、めまい、胃の不調、痛みが現れたり、口の中に異常な味がしたりすることがあります。めったにないことですが、腎臓が損傷を受けることがあります。すでに腎臓の異常がある場合は、腎臓の損傷が起こりやすくなります。