角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりと角膜異物かくまくいぶつ

角膜かくまくとは、目めの前面ぜんめんにある透明とうめいな層そうです。上皮じょうひ剥離はくりとは浅あさいひっかき傷きずを意味いみしています。つまり、角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりとは角膜かくまくに浅あさいひっかき傷きずがある状態じょうたいです。

角膜異物かくまくいぶつとは、角膜かくまくにひっかかって角膜かくまくを刺激しげきしている物もの（たとえば砂すなの粒つぶなど）のことを指さします。

• 角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりは軽かるいものであれば、ふつうは数日すうじつで自然しぜんに治なおります。

• 角膜異物かくまくいぶつは医師いしに取とり除のぞいてもらう必要ひつようがあります。

• 角膜かくまくの傷きずから感染かんせんすることがあり、土つちや植物しょくぶつによる傷きずの場合ばあいには感染かんせんの可能性かのうせいが高たかまります。

• 目薬めぐすりや軟膏なんこうが感染かんせんの予防よぼうに役立やくだちます。

角膜かくまくに傷きずがあったり、角膜かくまくに何なにかがひっかかっていると感かんじる場合ばあいにはできるだけ早はやく医師いしの診察しんさつを受うけてください。

眼めの内部ないぶの構造こうぞう

目めに入はいってくるものはすべて、角膜かくまくの問題もんだいを引ひき起おこす可能性かのうせいがあります。次つぎのようなことが原因げんいんで、空気中くうきちゅうの粒子りゅうしなどの小ちいさなものが目めの中なかに吹ふき込こんでくる可能性かのうせいがあります：

• 強風きょうふう

• 爆発ばくはつ

• 工具こうぐの使用しよう（特とくにドリル、のこぎり、削けずってみがくための工具こうぐ）

次つぎのようなものでも、角膜かくまくに傷きずがつくことがあります：

• 木きの枝えだ

• 爪つめ

• ヘアブラシ

• 化粧けしょう用具ようぐ

コンタクトレンズは、よくある原因げんいんの1つです。次つぎのような場合ばあいに、角膜かくまくの問題もんだいが起おこることがあります：

• 目めに合あっていないコンタクトレンズをはめている

• 目めが乾燥かんそうしているときにコンタクトレンズをはめている

• 汚よごれたコンタクトレンズをはめている

• 目めにコンタクトレンズを長ながい間あいだ入いれたままにしていたり、入いれたまま寝ねたりする

• コンタクトレンズをはずすときに、角膜かくまくをひっかく

ドライアイの人ひとでは、角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりの危険性きけんせいが高たかくなります。小ちいさな粒子りゅうしが空気中くうきちゅうにただよっている場所ばしょで働はたらいている人ひとでは、角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりや角膜異物かくまくいぶつの危険性きけんせいが高たかくなります。

次つぎのような症状しょうじょうがよくみられます：

• 目めの中なかに何なにかがあるように感かんじる

• 涙なみだの量りょうが増ふえる

• まばたきや目めを細ほそめる回数かいすうが増ふえる

• 目めが赤あかくなる

上皮じょうひ剥離はくりが大おおきかったり深ふかかったりすると、次つぎのような症状しょうじょうもみられます：

• 目めの痛いたみ

• 目めのかすみ

• 明あかるい光ひかりによる不快感ふかいかん

• 頭痛ずつう

医師いしは、目めを診察しんさつすることであなたの角膜かくまくに傷きずがあるかどうかが分わかります。視力しりょくを確認かくにんしたあとで、目めに色素しきその入はいった目薬めぐすりを1滴てき入いれ、特別とくべつな照明しょうめいで目めを観察かんさつします。傷きずの部分ぶぶんに色素しきそが流ながれ込こむと、特別とくべつな照明しょうめいをあてることで、傷きずが光ひかって見みえるため、角膜かくまくの傷きずや異物いぶつが見みえやすくなります。眼科医がんかいは特殊とくしゅな拡大鏡かくだいきょう（細隙灯さいげきとう）を使つかって角膜かくまくを観察かんさつします。

医師いしは角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりを次つぎのものを使つかって治療ちりょうします：

• 抗菌薬こうきんやくの目薬めぐすりや軟膏なんこう

• 炎症えんしょうを和やわらげる目薬めぐすり

• アセトアミノフェンなどの痛いたみ止どめの薬くすり

角膜異物かくまくいぶつの治療ちりょうでは、医師いしは原因げんいんの異物いぶつを取とり除のぞきます。医師いしは次つぎのことを行おこないます：

• 最初さいしょに目めをまひさせる薬くすりを投与とうよする

• 原因げんいんの異物いぶつを水みずで洗あらい流ながすか、消毒しょうどくされた綿棒めんぼうで軽かるく持もち上あげて取とり除のぞく

• 必要ひつように応おうじて、針はりや特殊とくしゅな道具どうぐを使つかって異物いぶつを取とり除のぞく

• 感染症かんせんしょうを予防よぼうし痛いたみを和やわらげるための薬くすりを投与とうよする

コンタクトレンズを使つかっている場合ばあいは、しばらくの間あいだ、はめないようにします。角膜かくまくをしっかりと治なおす必要ひつようがあります。コンタクトレンズをはめてよい時ときがきたら、医師いしがそれを教おしえてくれます。

次つぎの方法ほうほうで、角膜上皮剥離かくまくじょうひはくりや角膜異物かくまくいぶつを予防よぼうできます：

• 必要ひつように応おうじて、目めを守まもるための保護ほご眼鏡めがねをかける

• メイクをしたりコンタクトレンズをはめるときには注意ちゅういする

目めの中なかに何なにかがあると感かんじた場合ばあいは、次つぎのことを行おこなってください：

• きれいな水みずで目めを洗あらい流ながす

• 数回すうかいまばたきする

• 目めをこすらないようにする