キノコ中毒とは何ですか?
一部のキノコには有毒な化学物質が含まれています。このようなキノコに含まれる毒(毒素)によって、体の具合が悪くなることがあります。
たくさんの種類のキノコに毒があります。
最もよくある症状は、嘔吐と腹痛です。
キノコに毒があるかどうかを見分けるのはとても難しいことです。
外でキノコが生えているのを見つけても食べてはいけません。
一部のキノコにはとても強い毒があり、人が死んでしまうこともあります。
自分やほかのだれかが毒のあるキノコを食べたかもしれない場合は、電話で救急車を呼ぶ(日本では119番、アメリカのほとんどの地域では911番)か、中毒情報センターに電話してアドバイスをもらってください(アメリカでは1-800-222-1222【訳注:日本では(公財)日本中毒情報センターが電話による無料情報サービスを提供しています。大阪072-727-2499、つくば029-852-9999、https://www.j-poison-ic.jp】)。世界保健機関(WHO)は、世界のセンターの連絡先を提供しています。
キノコ中毒にはどのような症状がありますか?
毒キノコを食べたことで現れる症状はさまざまですが、ほとんどの場合、次の症状が含まれます:
嘔吐
腹痛
キノコの種類によっては、ほかの症状が現れることもあります。
すぐに(2時間以内に)症状を引き起こすキノコは、後になって(6時間後以降に)症状を引き起こすものより危険性は低くなります。
オオシロカラカサタケ属(Chlorophyllum molybdites)のキノコ
次のような症状が、たいていは24時間以内に治まります:
血が混じることもある下痢(便が何度も出たり、ゆるかったり、水っぽかったりする)
体の痛み
頭痛
シビレタケ属(Psilocybe)のキノコ
次の症状が15~30分以内に現れます:
きわめて強い興奮と幸福感(多幸感)
想像しすぎる
幻覚(実際にはないものが見えたり聞こえたりする)
心拍が速くなる
アセタケ属(Inocybe)と一部のカヤタケ属(Clitocybe)のキノコ
涙目
瞳孔(目のまん中にある黒い部分)が異常なほど小さくなる
嘔吐
腹部のけいれん
汗をかく
下痢(便が何度も出たり、ゆるい便や水っぽい便が出たりする)
筋肉のけいれん
混乱
昏睡(意識がなく、起こそうとしても目が覚めない状態)
治療すれば、症状はたいていは12時間以内に治まります。治療しなければ、数時間以内に死んでしまうこともあります。
タマゴテングタケ(Amanita phalloides)のキノコ
次の症状が6~12時間以内に現れます:
嘔吐
下痢(便が何度も出たり、ゆるい便や水っぽい便が出たりする)
皮膚や目が黄色くなる
尿がほとんど出なくなる
テングタケ属やその仲間のキノコは、とても危険です。この種類のキノコ中毒を起こした人は、約半数が5~8日で死んでしまいます。
医師はキノコ中毒をどのように治療しますか?
治療法は、食べたキノコの種類によって異なります。
医師は次のことをします:
幻覚(実際にはないものが見えたり聞こえたりする)がある場合は、鎮静薬(体をリラックスさせる薬)を使う
静脈から薬を注射する
特別なフィルターを使って血液から毒を取り除く(透析という方法)