ねんざとは何ですか?
ねんざとは、靱帯が裂けるか、伸びて痛みがある状態です。靱帯は、短くてじょうぶな帯状の組織で、関節の骨と骨をつなぎとめています。
ねんざは、靱帯がのびているか、部分的に裂けているか、完全に断裂しているかによって、軽度、中等度、重度に分けられます。筋肉や腱が裂けていることは、ねんざとは見なされません。
ねんざは:
痛みと腫れを引き起こします。
X線検査では見えませんが、医師は近くの骨が折れていないか調べるためにX線検査をすることがあります。
「PRICE」と呼ばれる処置(保護する、安静にする、氷で冷やす、圧迫する、高い位置に上げる)によって治療します。
副子やギプスが必要になることもあります。
ふつうは自然に治ります。
靱帯が完全に断裂している場合は、手術が必要になることもあります。
ねんざの原因は何ですか?
たとえば次のことによって、関節がねじれたり、のびたり、曲がりすぎたりすると、ねんざが起こります:
スポーツでのけが
転ぶ
関節にはそれぞれ、靱帯がいくつかあります。ときには複数の靱帯にねんざが起こることがあります。
1本の靱帯が完全に断裂すると、その関節の骨がはなれてしまうことがあります。これは脱臼といいます。脱臼していなくても、関節がぐらつくことがあります。これは不安定な関節といいます。
ねんざにはどのような症状がありますか?
最もよくある症状は次のとおりです:
痛み(さわったり、体のその部分に体重をかけたり、そこを使ったりすると痛む)
腫れ
けがをした部分をいつもどおりに使えない
靱帯が裂けると、皮膚の下で出血することがあります。1日ほどであざができることがあります。
医師はどのようにして、私がねんざかどうかを判断しますか?
医師はねんざをどのように治療しますか?
ねんざをしてから最初の24時間、医師からPRICEとよばれる治療を行うようにいわれますが、これは次のことを表したものです:
圧迫包帯や副子でけがを保護(Protect)する
活動を制限したり、体重をかけないようにして(たとえば松葉づえを使って)、けがをした部分を安静(Rest)にする
けがをした部分をタオルを巻いた氷のうで冷やす(Ice)
腫れを抑えるために、けがをした部分をのび縮みする包帯で圧迫(Compress)する(巻く)
腫れを減らすために、けがをした部分を心臓の高さかそれ以上に上げる(Elevate)
痛みをやわらげるために、医師はあなたに次のように指示します:
アセトアミノフェンや、イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を飲む
数時間おきに15~20分ずつ氷をあてる
2日たったら、1回につき15~20分、温熱パッドを使う
その部分をいつから動かしてもよいか、医師に相談してください:
軽度のねんざでは、ねんざした部分を動かせるようになったらすぐに動かし始めるよう、医師から指示されることがあります。
中等度のねんざでは、副子やつり包帯が数日間必要になることがあります。
重度のねんざでは、ギプスや手術が必要になることがあります。
重度のねんざになった場合は、リハビリ運動をする必要があるかもしれません。この運動は、関節のまわりの筋肉を強くし、関節をかたまりにくくするのに役立ちます。
ねんざにはどのような合併症がありますか?
関節がかたくなることがあります(特に副子やギプスをつける必要があった場合)。
今のねんざが完全に治っても、関節にまたねんざが起こりやすくなることがあります。
関節が安定しないことがあります。
副子やギプスを長くつけているほど、関節がかたくなり、筋肉の力が弱くなります。そうなると、筋肉の力とやわらかさを取りもどすのが難しくなります。関節が少しかたいままになり、そこをまた痛めると、ねんざになる可能性が高くなります。