授乳と食事に関する問題にはどのようなものがありますか?
赤ちゃんや小さな子どもの授乳と食事に関する問題には、食べたり飲んだりすることやそれを吐き出さないようにすることの問題と、食べたり飲んだりする量が間違っているという問題(少なすぎるか多すぎるかのどちらか)があります。
よくある授乳と食事の問題には次のものがあります:
溢乳
嘔吐
栄養過剰
栄養不足
授乳と食事の問題はよくあるもので、ふつうは小さなことですが、あなたの赤ちゃんや小さなお子さんが病院に行ったり、入院して治療を受けたりしなくてはいけないこともあります。
溢乳とは何ですか?
溢乳とは、赤ちゃんが飲み込んだばかりのミルクが上にもどってきて、口や鼻から流れ出ることです。この流れはふつうはゆるやかなもので、嘔吐のようにはげしくはありません。
溢乳は赤ちゃんにとって正常なものです。
ほとんどすべての赤ちゃんで溢乳が起こり、ほとんど必ず生後12カ月までにおさまります。
溢乳が起こるのは、赤ちゃんが飲んだ後に上体を起こすことができないこと、また食べものを胃の中から出ないようにする弁の力が弱いことが原因です。
溢乳でも、赤ちゃんに痛みを引き起こしたり、おさまらなかったり、食べられなくなったり、体重が増えなかったりする場合は、胃食道逆流症と呼ばれ、治療するために薬が必要になることがあります。
赤ちゃんの溢乳が緑色だったり血が混じっていたりする場合や、溢乳のせいで赤ちゃんがせきをしたり息がつまったりする場合は、すぐに病院に行ってください。
溢乳はどうすれば予防できますか?
赤ちゃんの溢乳を防ぐには、次のようにしてください:
赤ちゃんのおなかがすきすぎる前に授乳する
授乳しているとき、4~5分おきにげっぷをさせる
授乳中とその後はたて抱きにする
哺乳びんをおしたり上下逆さにしたときに、吸い口からほんの数滴だけ出るようにする
嘔吐とは何ですか?
嘔吐とは、胃の中の食べものが戻ってきて、のどまで上がってくることです。赤ちゃんや子どもの嘔吐は、ほとんどがウイルス性胃腸炎によるものです。
嘔吐は病気や問題の徴候の一つで、生後2週間から4カ月の赤ちゃんが理由もなしに嘔吐することはめったにありません。
ほとんどの嘔吐は、治療しなくても自然に治まります。
あなたのお子さんが嘔吐している場合は、水分を少しずつこまめに飲ませてください。
嘔吐しすぎると、体の中に十分な水分がなくなる脱水が起こります。
あなたのお子さんが嘔吐していて、次の注意すべき徴候が一つでもあれば、すぐに病院に行ってください:
ひどいおなかの痛み
水分を飲んでも吐いてしまう
高熱がある
弱々しく疲れているように感じる
嘔吐が12時間以上続いている
嘔吐が緑色をしているか嘔吐に血が混じっている
8時間以上排尿していない
栄養過剰とは何ですか?
子どもの栄養過剰とは、子どもの健康と成長に必要な量よりも、たくさんの栄養を与えることをいいます。これにより、子どもが溢乳したり、下痢(便が何度も出たり、ゆるい水っぽい便が出たりする)をしたり、太りすぎや肥満になったりすることがあります。
栄養過剰を防ぐには、次のようにしてください:
赤ちゃんが泣いているからというだけ機械的に授乳するのではなく、泣く理由がほかにないかを確かめる
赤ちゃんに遊びとしてほ乳びんをわたしたり、ずっとほ乳びんを持たせたりしない
よい行動に対して食べものでごほうびをあげない
おなかがすいていないときに食べさせない
栄養不足とは何ですか?
栄養不足は、子どもの健康と成長に十分な食べものを与えないことをいいます。これはふつう、赤ちゃんがぐずりすぎて授乳できない場合や、お乳を吸ったり飲み込んだりするのに問題があるときに起こります。
栄養不足の子どもは発育不良になることがあります。
赤ちゃんが適切な量の栄養をとれるように、粉ミルクは必ず指示どおりにつくってください。
地域社会団体(女性、赤ちゃん、子どものためのプログラム[Women, Infant, and Children (WIC) program]など)は、あなたが食べものや粉ミルクを買うのを補助してくれたり、粉ミルクの最もよい作り方や赤ちゃんへの授乳の方法を教えたりしています。
赤ちゃんの体重がとても軽い場合、医師は赤ちゃんを入院させて世話をして、体重が増えるようにすることがあります。