フォン・ヒッペル-リンドウ病とはどのような病気ですか?
フォン・ヒッペル-リンドウ病は、いくつかの臓器に腫瘍ができる、遺伝性の病気です。最もよくできる腫瘍は、血管からできる腫瘍(血管腫)で、脳の中や目のおくの部分(網膜)にできます。そのほかにも、副腎、腎臓、肝臓、膵臓に腫瘍ができることがあります。腫瘍は、がん(悪性)のこともあれば、がんではないこともあります。
症状は腫瘍ができた位置によって変わり、ふつうは10~30歳の間に現れます。
お子さんと近親者全員の遺伝子検査をします。
できるなら、手術で腫瘍を取り除いて治療します。
早いうちに治療をするのが最も効果的ですので、腫瘍を見つけるために、お子さんには頻繁に画像検査を受けてもらう必要があります。
フォン・ヒッペル-リンドウ病の人は、年をとるにつれて、腎臓がんになりやすくなります。
フォン・ヒッペル-リンドウ病の原因は何ですか?
フォン・ヒッペル-リンドウ病は、異常な遺伝子によって引き起こされる遺伝性の病気です。
その異常な遺伝子は、親から赤ちゃんに受けつがれる場合もあります。一方で、赤ちゃんが家族の中で最初にその異常な遺伝子をもった人になる場合もあります。
フォン・ヒッペル-リンドウ病にはどのような症状がありますか?
ふつうは10才から30才までの間に症状が現れ始めます。
現れる症状は、腫瘍の大きさと位置によって変わります。次のような症状が現れることがあります:
頭痛
めまいがする、体に力が入らない
高血圧
難聴
目のおくの部分の腫瘍が大きくなった場合、視力障害
フォン・ヒッペル-リンドウ病の検査にはどのようなものがありますか?
医師はフォン・ヒッペル-リンドウ病をどのように治療しますか?
手術で腫瘍を取り除きます。
ときには、放射線で腫瘍を治療することもあります。
目のおくの血管の腫瘍は、ふつうはレーザーを使うか、凍らせることで治療します。
医師は、新しくできた腫瘍がないか調べるための検査を1~2年ごとにします。この病気を治せる治療法はありませんが、お子さんの目が見えなくなったり、脳の障害が起きたりするのを予防するのに、治療が役立ちます。脳の腫瘍や腎臓がんの合併症のために、死んでしまうこともあります。
フォン・ヒッペル-リンドウ病はどうすれば予防できますか?
この病気はふつう、予防できません。
あなたの家族にフォン・ヒッペル-リンドウ病の人がいて、あなたが子どもをつくろうと考えている場合は、遺伝子検査を受けることで、この病気を引き起こす遺伝子をあなたがもっているどうかを調べることができます。遺伝カウンセリングは、お子さんがこの病気になる危険性を明らかにするのに役立ちます。