出生前ケア(prenatal care)とは出産の前に受ける医療のことです。出生前ケアには、定期的な受診や決まった検査などが含まれまれます。医師は、あなたの健康状態と成長している赤ちゃんの健康状態をチェックします。
定期的に受診し、決まった検査を受ければ、医師は症状が起こる前に問題を見つけることができます。
前にあなたに高血圧や喘息などの問題があった場合、妊娠しているときにはちがった方法で治療する必要があるかもしれません。
医師は食事や必要なビタミンなど、あなたが自分でできるケアの方法を教えてくれます。
妊娠の初めのころには月に1回受診し、出産が近づくにつれてその回数が増えるでしょう。
診察のたびに、医師はあなたの体重、尿、血圧をチェックします。
医師はふつう、妊娠中に少なくとも1回(あなたの病歴と症状によってはもっと多くの回数)超音波検査をします。
妊娠しようとする前に医師の診察を受ける必要がありますか?
妊娠する前に医師の診察を受けておくのはよい考えです。医師は、あなたの妊娠ができるかぎり安全なものになるようにし、妊娠する準備を助けることができます。医師は次のことをします:
あなたがかかっている病気があれば、妊娠がどのように影響するかについて話す
あなたに必要な予防接種をする
赤ちゃんに受けつがれる(遺伝する)ことがある病気の危険因子についてあなたにたずねる
あなたが遺伝する病気の危険因子をもっていれば、医師は遺伝子スクリーニングのための血液検査をすすめることがあります。このような検査では、あなたやパートナーが、子どもに受けつがれるかもしれない病気の遺伝子をもっているかどうかを調べます。人は常に危険因子をもっているわけではないため、全員にこのような検査をする医師もいます。
妊娠したいと決めたら、赤ちゃんが健康に生まれる可能性をできるだけ高くするために、次のことをしてください:
最初の医師の診察では何をしますか?
妊娠中に必要な医療は何ですか?
妊娠が進むにつれて、頻繁に医師の診察をうけることになります。最初の診察の後、次のタイミングで診察を受けます:
妊娠28週までは4週間ごと
36週までは2週間ごと
その後は出産まで毎週
受診のたびに、医師は次のことをします:
あなたの体重をはかる
あなたの血圧をはかる
足首にむくみがないか調べる
子宮の大きさをはかる
赤ちゃんの心拍を調べる
尿のサンプルの糖を調べる
医師は16~20週で超音波検査をして次のことについて赤ちゃんを調べます:
心拍
性別
大きさと成長
超音波検査では次のことも分かります:
双子のように何人かの赤ちゃんを妊娠しているかどうか
胎児に生まれつきの異常や胎盤(胎児に栄養を与える器官)の異常などの、問題になるかもしれないことがあるかどうか
この超音波検査の結果によっては、妊娠の後期にさらに超音波検査をすることもあります。
およそ24~28週で、医師は血液検査をして血糖値が高くなっていないか(妊娠糖尿病)調べます。
X線検査は妊娠中に決まって受けるものではありません。あなたにX線検査が必要な場合には、鉛でできたエプロンを使っておなかを守ることで安全に受けることができます。