高血圧とは、動脈の中の血液の圧力が高すぎることです。動脈とは、心臓から全身に血液を送っている血管のことです。血圧が高すぎると、心臓に負担がかかって、動脈やほかの臓器が傷ついてしまいます。高血圧を治療しないと、心臓の病気や腎臓の病気、脳卒中を引き起こすことがあります。
妊娠中の高血圧とは何ですか?
女の人の血圧は、妊娠しているときはふつうは低くなります。血圧が少しだけ高いことは、あなたと赤ちゃんにとって問題の徴候かもしれません。
妊娠中の高血圧には、次の3種類があります:
慢性高血圧:妊娠する前にあなたにすでにあった高血圧
妊娠高血圧:妊娠20週より後に始まり、ふつうは赤ちゃんが生まれて数週間するとおさまる高血圧
妊娠高血圧腎症:尿の中のタンパク質の量の異常をともなう、妊娠の後のほうで起こる高血圧
あなたが次のことに当てはまる場合に、妊娠中に高血圧になる可能性が高くなります:
すでに高血圧である
体重が重すぎる
活動的ではない
タバコを吸う、またはお酒をたくさん飲む
妊娠中に高血圧であった家族がいる
初めて出産する
おなかに2人以上の赤ちゃんがいる
妊娠中の高血圧にはどのような症状がありますか?
高血圧はふつう、症状を引き起こしません。血圧が高いかどうかを、感覚で判断することはできません。
しかし、もしあなたが妊娠高血圧腎症なら、次の症状があるかもしれません:
頭痛
手と足のむくみ
高血圧を治療しないと、私と赤ちゃんにどのような影響をおよぼしますか?
医師はどのようにして、私が妊娠中の高血圧かどうかを判断しますか?
医師はあなたが受診するたびに血圧を測ります(血圧をはかるためのカフを使います)。血圧が140/90以上の場合、あなたは高血圧です。
さらに、医師はあなたの尿のタンパク質を調べて、妊娠高血圧腎症になっていないかを確かめます。
医師は妊娠中の高血圧をどのように治療しますか?
医師は次のことをします:
血圧の薬を出す
家で血圧を測る方法をあなたに教える
あなたの腎臓と肝臓がどのくらいうまくはたらいているかを確かめる検査をする
超音波検査をして、赤ちゃんの成長を確かめる
重い妊娠高血圧腎症の場合は、赤ちゃんを出産させる
あなたの血圧が中程度に高いか、とても高い場合には、医師はあなたをベッドで静かに休ませ、少し早めに(37~39週で)出産させることがあります。
あなたの血圧がとても高い(180/110以上)場合には、医師は出産予定日前の数カ月間、治療のためにあなたを入院させることがあります。
妊娠中に起こった高血圧は赤ちゃんが生まれた後におさまることもありますが、しばらくしてから慢性的な高血圧になることもあります。