結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)という細菌が引き起こす、よくみられる深刻な感染症です。あまり多くはありませんが、ほかの種類の抗酸菌も病気を引き起こします。
MAC感染症とはどのような病気ですか?
結核の次に、最もよくみられる抗酸菌感染症は、Mycobacterium avium complex(MAC)というグループの細菌が引き起こします。
健康な人は、めったにMAC感染症になりません。
MAC感染症はふつう、肺に異常を引き起こしますが、リンパ節、骨、皮膚、そのほかの組織にも影響をおよぼす可能性があります。
MAC感染症は、治療が難しいです。
ふつうは抗菌薬を1~2年間飲まなければなりません。
肺のMAC感染症
肺のMAC感染症は、ゆっくりと始まります。現れる症状は、肺の結核の症状と似ていて、次のものがあります:
せきが出る
血や粘液を吐く
疲れを感じる
体重が減る
熱が出る
呼吸が苦しい
医師は、たん(肺の奥深くからせきといっしょに吐き出されるもの)を検査します。あなたがMAC感染症なら、医師は抗菌薬で治療します。
リンパ節のMAC感染症
リンパ節は、小さな豆のような形をした器官で、感染症から体を守るのを助けています。子どもは、抗酸菌が入っている泥や水を食べたり飲んだりすることで、リンパ節のMAC感染症にかかることがあります。
医師は、感染したリンパ節を取り除く手術で、この感染症を治療します。
全身のMAC感染症
人間がかかる抗酸菌感染症には、ほかにどのような種類がありますか?
ほかの種類の抗酸菌は、次の病気を引き起こします:
プールや水槽でかかる皮膚の感染症:腕や脚に赤いふくらみができて、ふつうは治療をしなくても消えますが、抗菌薬が必要になる人もいます。
ブルーリ潰瘍:腕、脚、顔の腫れが、ただれになり、医師は抗菌薬で治療し、手術をすることも多いです。
傷、いれずみ、体の中に入れた人工物(乳房インプラントなど)からの感染症:医師は抗菌薬と手術で治療します。