発熱とは何ですか?
発熱とは、体温が37.5度以上になることです。発熱は、暑く感じたり、汗をかいたりするだけではありません。発熱の条件として、体温計で測った体温が高くなければなりません。
正常な体温は、だれもが同じではありませんが、ふつうは36.5度くらいです。人によっては、正常な体温が、これよりも高かったり、低かったりすることがあります(最大で1度)。
健康な人に起きる発熱は、ほとんどがウイルスに感染したことによるもので、ふつうは数日で自然に治まります。
発熱がある場合、起きている症状のほとんどが、発熱そのものではなく、発熱を引き起こしている何かが原因で起きているものです。
体温がおよそ41度以上にならない限り、発熱そのものが体を傷つけることはありません。
医師は診察をして、場合によりいくつか検査をして、発熱の原因を見つけようとします。
イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの薬は、発熱で苦しい場合に、熱を下げるのに役立ちます。
大人の発熱の原因は何ですか?
発熱を引き起こす病気はたくさんあります。
最も多い原因は次のものです:
あまり多くはありませんが、発熱の原因には次のものもあります:
がんや炎症性疾患の場合は、発熱がふつうは長く続きます。発熱は、ずっと続くこともあれば、起きたり治まったりすることもあります。
高齢の人の場合、発熱の原因はふつう細菌の感染症で、肺、尿路、皮膚、そのほかの軟部組織への感染が多いです。しかし、高齢の人では、感染症になっても、いつも発熱が起きるわけではありません。
不明熱
不明熱とは、次のような発熱のことです:
38.3度以上ある
数週間続いている
医師がはっきりした原因を特定できない
医師はふつう、血液検査や尿検査、画像検査など、たくさんの検査をして、めずらしい感染症や、がんがないか調べます。これらの検査の結果で何もなければ、医師が肝臓や骨髄、感染が起きているかもしれないそのほかの部分から組織のサンプルを取り出して、検査(生検)をする必要がある場合があります。
大人の発熱にはどのような症状がありますか?
発熱は病気の症状の一つです。発熱そのものは、ふつう、次のものを除き、あまり多くの症状を引き起こしません:
発熱が始まると、全身がふるえて、寒い屋外にいるかのように歯をガタガタ鳴らしてしまうことがあります(「寒気」といいます)。
熱が高いと、皮膚をさわったときに熱く感じます。
発熱が治まる(「熱が下がる」)と、汗をたくさんかくことがあります。
発熱を引き起こした原因が何であれ、その原因による症状が起きることもあります。たとえば、発熱が胸の感染症によって引き起こされた場合は、せきが出ることがあります。
発熱について、私はどんなときに病院に行けばいいですか?
もし発熱のほかにも、次の注意すべき徴候が1つでもある場合は、すぐに病院に行ってください:
混乱など、思考能力に変化がある
頭痛がするか、首が硬くなっている
発疹がある
気が遠くなったり、頭がふらついたりする
心臓の動きが速くなっている
息切れがしたり、呼吸が速くなったりしている
体温が40度を超えているか、35度を下回っている
マラリアなどの深刻な感染症が流行している地域に最近旅行した
免疫の働きを弱める薬(免疫抑制薬)を最近使った
これらの注意すべき徴候が1つもなくても、発熱が1~2日以上続く場合は、医師に連絡してください。あなたの年齢や症状、病歴によっては、医師は診察を受けさせたり、発熱の原因を見つけるための検査をしたりすることがあります。次の検査を指示することがあります:
血液検査
尿検査
胸のX線検査
症状によっては、そのほかの検査
ほかの症状があってもなくても、発熱が3~4日以上続く場合は、病院に行ってください。
医師は大人の発熱をどのように治療しますか?
体調や体温にもよりますが、その発熱は体が感染症と戦っている証拠ですので、発熱に対する治療は必要ない場合もあります。発熱を引き起こしている原因が何であれ、医師はその原因に対する治療をします。
発熱そのもので不快な感じがする場合は、医師があなたに、アセトアミノフェンやイブプロフェンなど、熱を下げる薬を出すことがあります。水分を多めに飲んで、すずしい服装をすると、具合がよくなることもあります。
41.0度を超える発熱の場合は、入院が必要になるかもしれません。病院では、静脈から水分を補給したり、冷感ブランケットを使ったりします。