免疫性血小板減少症(ITP)とはどのような病気ですか?
血小板は、血液の流れに乗って全身をめぐっている小さな細胞で、血液が固まるのを助けます。血小板減少症とは、血液の中で血小板が減りすぎた状態のことです。
免疫性血小板減少症は、 免疫の働きによって血小板が壊されるせいで、血小板の数が減りすぎることで起こる病気です。
血小板が少なくなりすぎると、出血が起きやすくなります。
皮膚に小さな紫色の斑点ができたり、鼻血が出たり、歯ぐきから血が出たりすることがあります。
医師は血液検査で免疫性血小板減少症を診断します。
子どもの場合、免疫性血小板減少症はふつう、自然になくなります。
大人の免疫性血小板減少症には、免疫の働きを抑えるために、コルチコステロイドなどの薬が使われることがあります。
あなたが大人で、薬で効果がない場合は、医師が脾臓を取り出す手術をすることがあります。
免疫性血小板減少症の原因は何ですか?
免疫性血小板減少症にはどのような症状がありますか?
免疫性血小板減少症の症状は、急に現れることもあれば、ゆっくり現れることもあります。次のようなものがあります:
皮膚や口の中にできる小さな赤い斑点
とても軽いけがであざができる
歯ぐきからの出血
重い月経
血小板の数が少なければ少ないほど、出血が起きやすくなります。血小板の数がとても少なくなった人では、腸から大量の出血が起きたり、脳の中で命に関わる出血が起きたりする可能性があります。
DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
DR P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
医師はどのようにして、私が免疫性血小板減少症かどうかを判断しますか?
医師は次のことをします:
血液のサンプルに含まれる血小板の数を数える血液検査
血小板が減少するほかの原因がないか調べるための検査
まれに、体の中で血小板がどれくらいつくられているかを調べるために、医師が骨髄を少しだけ取って調べることもあります(骨髄生検)。
医師は免疫性血小板減少症をどのように治療しますか?
医師は次の方法で免疫性血小板減少症を治療します:
コルチコステロイド
体内で血小板が増えるのを助ける薬
免疫の働きを抑える薬
まれに、脾臓の手術(脾臓摘出術)
命に関わる出血が起きた場合は、医師が血小板輸血をすることがあります。輸血された血小板も血液中の抗体に攻撃されるため、ふつう血小板輸血はうまくいきません。
脾臓を取り除くと、血液中の血小板の循環を維持しやすくなります。
大人では、免疫性血小板減少症はふつう長く続きますが、子どもでは自然によくなることが多いです。