恐怖症とはどのような病気ですか?
恐怖症とは、おそれを意味する医学の言葉です。危険なものをこわがることは正常です。ほとんどの人は、がけのふちに立ったり、歯をむいてうなるイヌに近づいたりといったことをこわがります。
しかし、おそれる気持ちが次のことに当てはまる場合、それを恐怖症といいます:
現実的ではない
実際の危険とつり合っていない
その気持ちが強すぎて、ふだんの生活を送ることができない
たとえば、あなたが高いところがとてもこわいために高い建物で働こうとしなかったり、動物がとてもこわいためにお子さんを動物園に連れて行けなかったりする場合には、あなたは恐怖症かもしれません。
おそれているものの近くにいると、パニック発作が起こることがあります。
治療は、おそれているものに少しずつ慣れていく、曝露療法で行います。
たくさんの恐怖症がありますが、次のようなものが多くあります:
動物(動物恐怖症)
高いところ(高所恐怖症)
閉ざされた場所(閉所恐怖症)
雷雨(雷恐怖症または雷鳴恐怖症)
医師はどのようにして、私が恐怖症かどうかを判断しますか?
正常なおそれや警戒と恐怖症を明確に分けることはできません。しかし、あなたのおそれが次のことに当てはまる場合、医師はあなたが恐怖症ではないかと疑います:
そのせいで、あなたがその状況やものごとを避けるために行動を変えている
実際の危険さと比べて、おそれる気持ちが必要以上に強い
とても強いおそれを引き起こしたり、あなたがするべきことをしにくくなったりする
医師は恐怖症をどのように治療しますか?
もし、おそれているものごとにあまり多く出くわさないのであれば、あなたに治療は必要ないと考えられます。たとえば、あなたがヘビをこわいと思っていても、あなたが都市部に住んでいるなら、おそらくヘビに出くわすことがないので、あなたのおそれは問題になりません。しかし、あなたの恐怖症が避けにくいもの、たとえば車で橋をわたることなどの場合は、治療をすることで、あなたの生活が楽になることがあります。次のような治療法があります:
曝露療法(10人中9人に役立つ)
ときには、症状を短い間だけ治療するための抗不安薬
曝露療法では、あなたがおそれているものごとに少しずつ慣れるように、心理療法士が手助けをします。たとえば、あなたがイヌをこわがっているなら:
まずは、ただイヌの写真を見ることから始めるかもしれません。
心理療法士は、あなたが写真を見ても不快にならなくなるまで、あなたが落ち着いたまま、ゆっくり呼吸し続けられるように助けます。
次に、別の部屋にいる本物のイヌを見てもらったりします。
その後、少しずつイヌと同じ部屋にいられるようにしていきます。
その後、あなたはイヌにさわれるようになります。
ふつうは、曝露療法を数回行えば、効果が出てきます。
薬で恐怖症が治ることはありません。しかし、おそれているものごとを避けられないときには、抗不安薬が役に立ちます。たとえば、あなたが飛行機に乗るときに、その前に飲むための薬を医師が出すことがあります。