腰痛ようつう

レビュー/改訂 2022年 1月
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下位かい脊椎せきつい腰椎ようつい)によって、からだまわしたり、ねじったり、げたりすることができます。さらに、つ、あるく、ものげるという動作どうさのための強度きょうどからだあたえています。こしはほとんどあらゆる動作どうさかかわっています。こしいたみはとてもよくみられます。

  • 腰痛ようつうはふつう、ものげたり、運動うんどうをしたり、ころんだり、自動車事故じどうしゃじこにあったりしたときにこります。

  • 腰痛ようつうもっとおお原因げんいん肉離にくばなれです。

  • 腹筋ふっきん股関節こかんせつのまわりの筋肉きんにく背筋はいきんつよくすることが、腰痛ようつう予防よぼうするのに役立やくだちます。

  • こし負荷ふかのかかる活動かつどうけ、いためをんで、こしやすかあたためることで、腰痛ようつう治療ちりょうすることができますが、腰痛ようつうはふつう、自然しぜんなおります。

  • 高齢こうれいひとあきらかな原因げんいんのない腰痛ようつうや、以下いかの「注意ちゅういすべき徴候ちょうこう」がある腰痛ようつうは、医師いし診察しんさつ必要ひつようになることがあります。

わたしはどんなときに病院びょういんけばいいですか?

もし腰痛ようつう以下いか注意ちゅういすべき徴候ちょうこうのいずれかがある場合ばあいは、すぐに医師いし診察しんさつけてください

  • しびれ

  • 片脚かたあし両脚りょうあし筋力低下きんりょくていか

  • 排尿はいにょうまたは排便はいべん問題もんだい

  • 発熱はつねつ

  • あたまのふらつきや失神しっしん

  • おなかあたりのひどいいた

もし腰痛ようつう以下いか注意ちゅういすべき徴候ちょうこうのいずれかがある場合ばあいは、1にち以内いない医師いし診察しんさつけてください

  • がんの病歴びょうれき

  • 体重たいじゅう減少げんしょう

  • 夜間やかんのひどいいた

  • 55さい以上いじょうで、いたみをこすけがなどのあきらかな理由りゆうがない

  • あなたがんでいるくすり最近さいきん手術しゅじゅつやけが、薬物使用やくぶつしよう、HIVに感染かんせんしていたりエイズにかかっていることなどにより感染かんせんのリスクがたかまっている

いたみがひどくなく、注意ちゅういすべき徴候ちょうこうがない場合ばあいは、医師いし診察しんさつけるまでに数日すうじつつことができます。

腰痛ようつう原因げんいんなんですか?

医師いしはいつもあなたの腰痛ようつう原因げんいんなんであるかかるとはかぎりません。腰痛ようつうもっとおお原因げんいん以下いかのものです:

  • 肉離にくばなれや靱帯じんたいのねんざ(靱帯じんたいとは、関節かんせつほねほねをつなぐじょうぶでみじか帯状おびじょう組織そしきのことです)

これは、こし片側かたがわまたは両側りょうがわこる可能性かのうせいがあります。いたみは、うごかすとひどくなり、安静あんせいにしているとよくなります。

そののよくある原因げんいん以下いかのものです:

椎間板ついかんばんは、背骨せぼねほね椎骨ついこつ)とほねあいだにあるスポンジじょう組織そしきで、これにより脊椎せきついげることができます。椎間板ついかんばんがさけたりしつぶされたりすると、ゼリーじょう物質ぶっしつがはみすことがあり(ヘルニア)、神経しんけい圧力あつりょくがかかる可能性かのうせいがあります。せきやくしゃみで、神経しんけい圧迫あっぱくによるいたみが悪化あっかすることがあります。

腰部脊柱管狭窄症ようぶせきちゅうかんきょうさくしょうは、高齢者こうれいしゃ腰痛ようつうのよくある原因げんいんです。

以下いかのような場合ばあいいたみがひどくなることがあります:

  • おもいものをまちがった方法ほうほうげる

  • 肥満ひまんである

  • とてもつかれている

  • 姿勢しせいわるい(まっすぐにっていない)

  • 背筋はいきん腹筋ふっきん股関節こかんせつのまわりの筋肉きんにく(コアマッスル)に十分じゅうぶん筋力きんりょくがない

坐骨神経痛ざこつしんけいつうとはどのような病気びょうきですか?

坐骨神経痛ざこつしんけいつうとは坐骨神経ざこつしんけい圧迫あっぱくされてこるいたみのことです。坐骨神経ざこつしんけいこしにある一番いちばんふと神経しんけいです。この神経しんけい腰椎ようついからあしうしがわへのびています。腰痛ようつう原因げんいんなんであれ、結果けっかとして坐骨神経痛ざこつしんけいつうになることがあります。

ふつう、坐骨神経痛ざこつしんけいつう左右さゆうどちらか一方いっぽうだけにこります。あし一部いちぶにチクチク、ピリピリするようなかんじや、しびれがあることがあります。あしうしがわからひざあしひろがる、うずくようないたみやビーンとはしるようないたみがあることがあります。神経しんけいへの圧迫あっぱくつづくことは深刻しんこくで、あし筋力低下きんりょくていかやしびれが長期間ちょうきかんつづくことになる可能性かのうせいがあります。

病院びょういんでは、どのようなことをしますか?

医師いしはあなたの症状しょうじょう病歴びょうれきについて質問しつもんし、身体しんたい診察しんさつおこないます。

場合ばあいによっては、医師いしX線検査せんけんさMRI検査けんさCT検査けんさ筋電図検査きんでんずけんさ神経伝導検査しんけいでんどうけんさなどの検査けんさおこなうことがあります。

腰痛ようつうがあるときにいつも、X線検査せんけんさやMRI検査けんさ必要ひつようになるわけではありません。

医師いし腰痛ようつうをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしは、あなたの腰痛ようつう原因げんいんとそれがどれくらいつづいているかにもとづいて治療ちりょうおこないます。しかし、ふつう、ほとんどの腰痛ようつう自宅じたくでのただしいケアでなおります。

  • もしいたみがひどい場合ばあい、1~2はベッドで安静あんせいにする必要ひつようがあるかもしれません

  • 安静あんせいにしすぎると、こし筋肉きんにくよわくなり、いたみがひどくなることがありますのでよくありません

  • かる活動かつどう実際じっさい役立やくだちます―医師いしにあなたがなにをすべきで、なにをすべきでないかを質問しつもんしてください

  • いたみのある部分ぶぶんあたためる、またはやす―けがをしてから最初さいしょの2日間かかんやすほう適切てきせつで、そのあたためます

  • アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンなどのいためのくすりみます

  • ねむっている姿勢しせいのときは、からだ横向よこむきにしてひざげたほうがより快適かいてきかもしれません。

できるだけはやく、医師いしはあなたにこしつよくするためのかる運動うんどうはじめてもらうようにします。筋肉きんにく強化きょうかするとこし安定あんていし、いたみがかるくなります。理学療法りがくりょうほうけるようすすめられることもあります。あなたが自分じぶんおこなえるように、療法士りょうほうしこし運動うんどうおしえてくれます。安全あんぜん作業さぎょうできるように、ものげたりうごかしたりするただしい方法ほうほうおしえてくれます。

いたみが神経しんけい圧迫あっぱく変形性関節症へんけいせいかんせつしょうによるものではないことがたしかだと医師いしおもっている場合ばあいつぎのことをためしてみてください:

  • マッサージ

  • カイロプラクターによる治療ちりょう

いたみがながつづ場合ばあい医師いしつぎのことを提案ていあんすることがあります:

  • 体重たいじゅうらすこと

  • 経皮的電気神経刺激けいひてきでんきしんけいしげき(TENS)(おだやかなピリピリする感覚かんかくられる自宅じたくおこな電気治療でんきちりょうで、1にち数回すうかい使つかうことができます―この装置そうち使つかかたならうために、医師いしはあなたに理学療法士りがくりょうほうし紹介しょうかいします)

  • コルチコステロイド(デキサメタゾンやメチルプレドニゾロンなど)とからだをまひさせるくすりわせて、硬膜外腔こうまくがいくう脊髄せきずいをおおっている組織そしき外側そとがわそう脊椎せきついとのあいだにある空間くうかん)に注射ちゅうしゃすること

  • 手術しゅじゅつ

こし手術しゅじゅつにはたくさんの種類しゅるいがあります。医師いしはふつう、あなたにひどい神経しんけい圧迫あっぱく徴候ちょうこうがある場合ばあいや、いたみがとてもひどく、ほかのすべての治療ちりょうやくたない場合ばあいにのみ、あなたに手術しゅじゅつをすすめます。

腰痛ようつうはどうすれば予防よぼうできますか?

  • 腹筋ふっきん股関節こかんせつのまわりの筋肉きんにく背筋はいきんのストレッチと筋力きんりょくつよくする運動うんどうをする

  • っているときやすわっているときにこしをまっすぐにたもつ(まえかがみの姿勢しせいはあなたのこし負荷ふかがかかります)

  • あしまずに、両足りょうあしうらをゆかにつけてすわ

  • なが時間じかんったままや、すわったままでいない

  • ものげるときは、背中せなかではなくあしをふんばってげる

腰痛ようつう予防よぼうするための運動うんどう

骨盤こつばんかたむける運動うんどう

あおけにねてひざげ、かかとをゆかにつけて、体重たいじゅうをかかとにせます。こしをゆかにしつけ、おしりをしめ(おしりをゆかから1センチメートルほどげる)、腹筋ふっきんをしめます。そのままの姿勢しせいで10までかぞえます。20かいくりかえします。

腹筋運動ふっきんうんどう

あおけにねて、ひざげ、あしをゆかにつけます。むねうえみます。あたまこさない(あごをむねにつけない)ようにしながら、腹筋ふっきんをしめてゆっくりと上体じょうたいをゆかからやく25センチメートルげていきます。つぎ腹筋ふっきんをゆるめてかたをゆっくりとろしていきます。これを10かいずつ、3セットおこないます。

ひざむねにつけるストレッチ

あおけにねます。両手りょうて片方かたほうひざうらってむねほうせます。そのままの姿勢しせいで10までかぞえます。ゆっくりとあしもどし、つぎ反対側はんたいがわあしおなじようにおこないます。この運動うんどうを10かいくりかえします。

すわっておこなあしのストレッチ

ゆかにすわり、のばしたひざをわずかにげて(固定こていしないようにする)、両脚りょうあしをできるだけおおきくひらきます。両手りょうて片方かたほうひざうえきます。両手りょうて足首あしくびかってゆっくりとすべらせていきます。いたみをかんじたらめて、らくに10秒間びょうかん姿勢しせいたもてる位置いちをこえないようにします。ゆっくりと、すわった姿勢しせいにもどります。反対側はんたいがわあしおなじようにおこないます。この運動うんどうをそれぞれのあしで10かいずつくりかえします。

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