関節が痛くなったり、腫れたり、赤くなったりする一連の病気を関節炎といいます。関節炎にはたくさんの種類があります。
変形性関節症とはどのような病気ですか?
変形性関節症は最もよくあるタイプの関節炎です。変形性関節症では、関節の軟骨がすり減っていきます。
変形性関節症はたいてい40~50才で始まり、80才までにほぼすべての人に起こります。
関節の痛み、腫れ、こわばり(特に朝)がみられることがあります。
体重が重すぎたり、同じ関節を何度もくり返し使う仕事をしていたりすると、かなり若いうちから変形性関節症になる危険が高くなります。
医師は、症状をみてX線検査を行い、変形性関節症かどうかを見分けます。
医師は変形性関節症を、運動、薬、ときには手術で治療します。
変形性関節症の原因は何ですか?
変形性関節症はふつう、関節にかかる負荷が原因で起こります。その負荷によって関節の軟骨がすり減ります。軟骨は、1つひとつの関節の骨の端を守る、なめらかでじょうぶな組織の層です。軟骨は骨と骨との間のクッションとなり、骨どうしがこすれずになめらかに動くようにします:
軟骨がダメージを受けると、関節の骨と骨がこすれ合い始め、骨がダメージを受けます。
軟骨と骨がダメージを受けると、関節がなめらかに動かせなくなり、正しく働かなくなります。
もしあなたが次のどれかに当てはまる場合、変形性関節症になる危険が高くなります:
高齢の女性である
体重が重すぎる
すでに関節にけがをしている
脚や腕の筋力が低下していたり、神経が傷ついたりしている
関節に負担をかける仕事をしている
家族に変形性関節症の人がいる
変形性関節症にはどのような症状がありますか?
よくある症状は次のものです:
痛みや、あなたの関節に体重がかかったときにひどくなる深いうずき(立っているときなど)
眠ったり、じっとしていたりした後の関節のこわばり(動き回って約30分後には消える)
関節がまっすぐにならないか、十分に曲がらない
関節を動かすと、ギシギシ、キーキー、パキパキといった音がする
指の関節の腫れ
ゆるくて不安定な関節
ふつう、変形性関節症は1つまたは数カ所の関節から始まります。症状が始まった後、ゆっくりと悪くなっていきます。変形性関節症の人の多くは、以前に行っていたすべてのことを、同じようにはできないかもしれません。
医師はどのようにして、私が変形性関節症かどうかを判断しますか?
医師は、あなたの症状と診察の結果から、あなたが変形性関節症かどうかが分かります。医師は次のことも行います:
他の病気を除外するための血液検査
関節が腫れている場合は、関節液を調べる検査
医師は変形性関節症をどのように治療しますか?
治療のおもな目標は次のとおりです:
あなたの痛みをやわらげる
関節を曲がりやすいように保つ
関節が働くように保ち、あなたが動き続けられるようにする
運動や療法といっしょに薬を使うと、症状をやわらげる助けとなります。
薬
医師は、次のような市販の痛み止めの薬をあなたにすすめることがあります:
アセトアミノフェン
口から飲む非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)
皮膚にぬることができるNSAIDのクリーム
医師は痛みに対して強い薬を処方したり、痛みがあって腫れた関節にコルチコステロイドなどの薬を注射したりすることもあります。
運動
毎日のストレッチ運動(ヨガなど)
筋力を強化するための運動(ウェイトリフティングなど)
はげしい力がかからない有酸素運動(ウォーキング、水泳、自転車に乗るなど)
関節に負担をかけない水中での運動