がんは、細胞が体の中で際限なく増え続けていく病気です。細胞とは、体を作り上げている小さな部品のようなものです。細胞は、それぞれ決まった役割をはたしています。臓器は、それぞれちがう種類の細胞でできています。ほぼすべての種類の細胞が、がんになる可能性があります。
精巣腫瘍とはどのような病気ですか?
精巣は、精子がつくられる対になった臓器です。精巣は陰嚢(男性の陰茎の後ろに垂れ下がっている皮膚でできた袋)の中にあります。精巣腫瘍は、精巣の細胞が際限なく増え続けていく病気です。
精巣腫瘍は、40才以下の男性に最もよく起こります。
ふつうは、精巣に痛みのないしこりができるか、精巣が大きくなります。
医師たちは、若い男性には1カ月に1回、精巣にしこりがないか自分で確かめることを勧めています。
医師はがんのある精巣を取り除く手術をするか、ときには、放射線療法や化学療法をすることもあります。
治療をすることで、ふつうは精巣腫瘍を完全に治すことができます。
精巣を1つ取り除いても、性欲、勃起、子どもをつくる能力が損なわれることはありません。
精巣腫瘍の原因は何ですか?
医師にも精巣腫瘍の原因は分かっていません。しかし、片方または両方の精巣が正常に陰嚢の中まで下がらなかった場合(停留精巣)に、精巣腫瘍がよくみられます。
精巣腫瘍にはどのような症状がありますか?
最もよくある症状は次のものです:
精巣にできる硬くて痛みのないしこり
DR. P.MARAZZI/SCIENCE PHOTO LIBRARY
あまり多くはありませんが、次のような症状が現れることがあります:
精巣のにぶい、うずくような痛み
まれに突然起こる、精巣のひどい痛み
医師はどのようにして、私が精巣腫瘍かどうかを判断しますか?
医師は精巣腫瘍をどのように治療しますか?
治療すれば、精巣腫瘍の男性はたいてい完全に治ります。医師はふつう、次の治療をします:
がんのある精巣を取り除く手術(希望があれば、人工の精巣を代わりに入れることができます)
ほかの治療法は、がんの細かい種類、がんの進行の速さ、がんが広がっている程度によって決まります。次のような治療法があります:
放射線療法や化学療法は不妊症の原因になることがあるため、これらの治療を受ける男性は、治療の前に精子を保存することがあります。がんのある精巣を取り除くための手術を受ける場合、子どもができるには、残った方の精巣が正常に働いている必要があります。