腎臓は、ソラマメのような形をした、2つある臓器で、尿がつくられるところです。その大きさは、にぎりこぶしと同じくらいで、腹部の後ろの方の、背骨のそばにあります。腎臓は、体の中の水分とミネラルのバランスをとり、血液から老廃物を取り除いています。
慢性腎臓病とはどのような病気ですか？
慢性の病気とは、ゆっくりと始まって、長く続く病気のことです。つまり、慢性腎臓病になると、血液をろ過（きれいに）して老廃物を取り除き、尿をつくるという腎臓の働きが、ゆっくりと失われていきます。腎臓は数カ月から数年かけて働かなくなります。
腎臓が急に働かなくなったら、それは急性腎不全という状態です。急性腎不全がよくならないと、慢性腎臓病になることがあります。
医師たちはかつて、慢性腎臓病のことを慢性腎不全と呼んでいました。この言葉が使われていたのは、一般の人たちが、長く続くけれど腎臓が働かなくなることはない、ほかの腎臓病と区別できるようにするためでした。
症状はゆっくりと始まり、夜間の排尿、疲れ、吐き気、かゆみ、筋肉のけいれんなどが現れます。
その後、尿が出なくなったり、頭が混乱したり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。
医師は、あなたの血液と尿を検査することで、慢性腎臓病と診断します。
あなたは特別な食事をとり、薬を飲む必要があり、透析（機械を使って血液から老廃物や余分な水分を取り除く治療）が必要になることもよくあります。
腎移植という、腎臓を新しい腎臓に取りかえる手術をすることもあります。
慢性腎臓病を治療しないと、死んでしまう可能性があります。
尿路
慢性腎臓病にはどのような合併症がありますか？
慢性腎臓病の原因は何ですか？
慢性腎臓病にはどのような症状がありますか？
現れる症状は、腎臓病がどれくらい重いかで変わってきます。
軽い腎臓病の症状：
夜中に何度か排尿をしたくなる
中程度の腎臓病の症状：
疲れを感じる、力が出ない、頭が混乱する、注意力が低下する
食欲があまりわかない
息切れ
吐き気
いやな味を感じる
重い腎臓病では、さらに次のような症状もみられます：
筋肉に力が入らない、筋肉のひきつり、けいれん、痛み
体の一部分で、物にふれた感覚が感じられない
レストレスレッグス症候群（脚に痛みや気もち悪い感じが、ふつうは夜に起きて、そのせいで脚を動かしてしまう病気）
考えるのが難しい、頭が混乱する、けいれん発作
ひどい息切れ
ときに、汗をかいた後に皮膚に白い粉が残る
全身のかゆみ
医師はどのようにして、私が慢性腎臓病かどうかを判断しますか？
医師は次のことをします：
あなたの血液の中にたまっている老廃物の量をはかるための血液検査
尿検査
腎臓を見て調べるための超音波検査
片方の腎臓の一部を小さく切り取り、それを顕微鏡で調べる検査（生検）をすることもあります
