裂肛とはどのような病気ですか?
便が出てくる、おしりの穴を肛門といいます。小さなさけ目を裂傷といいます。裂肛とは、肛門の表面にさけ目(裂傷)ができた状態です。
裂肛の原因は何ですか?
裂肛の原因には次のものがあります:
かたい便や大きな便が出ること
やわらかい便が何度も出ること
肛門の中に物(大人のおもちゃなど)を入れること
大腸のほかの部分に起きた炎症(大腸炎)
人によっては、肛門を使った性行為
裂肛にはどのような症状がありますか?
ふつうは便を出しているときか、便が出たすぐ後に起き、次の症状が現れます:
肛門の痛み
出血(少しだけ)
ときに、かゆみ
痛みは数分から数時間でおさまりますが、さらに便が出ると、また痛くなります。
裂肛の症状が6週間未満でなくなる場合は、急性といいます。症状がそれよりも長く続く場合は、慢性といいます。
医師はどのようにして、私に裂肛があるかどうかを判断しますか?
医師はふつう、あなたの肛門を見るだけで、裂傷があるかどうかが分かります。
医師が手袋をした指や肛門鏡(肛門の中を見るために医師が使う短い管)を使って、直腸の診察をする必要があることもあります。出血がある場合は、医師はもっと長い器具を使って、腸のお尻側の部分を確認し、出血の原因がほかにないか調べます。
医師は裂肛をどのように治療しますか?
次のようにすれば、便を出やすくすることができます:
薬を飲んで便をやわらかくする
果物や野菜などの食物繊維をもっとたくさん食べるか、食物繊維のサプリメントを飲む
ときに、便秘(便がなかなか出なくなった状態)に下剤を使う
軟膏や坐薬を使って、肛門をなめらかにする
痛みを軽くするために、次の対処が必要になるかもしれません:
痛みを感じなくする薬が入った軟膏を使う
1日に数回、お風呂に肛門がつかるくらいのお湯を入れて、10~15分間、座って入る(坐浴)
肛門のけいれんとは何ですか?
裂肛になると、肛門の筋肉がひきつることがあります(けいれん)。肛門のけいれんが起きると、痛みを感じます。けいれんのために、肛門に流れる血液が減ってしまうことがあります。血液の流れが足りないと、裂肛が治らなくます。けいれんを止めて、裂傷が治るようにするために、医師は次のことをします:
肛門にクリームをぬって、筋肉をゆるめる
肛門に薬を注射して、筋肉をゆるめる
ほかの治療法で裂肛が治らないときは、手術をして、肛門の筋肉をのばしたり、切り取ったりする