男性の乳房の病気

執筆者:Irvin H. Hirsch, MD, Sidney Kimmel Medical College of Thomas Jefferson University
レビュー/改訂 2021年 3月
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    乳房の病気がまれに男性に起こります。乳房の病気には以下のものがあります。

    • 乳房腫大

    • 乳がん

    男性の乳房腫大

    男性の乳房腫大は、女性化乳房または偽性女性化乳房と呼ばれます。

    女性化乳房は乳腺からなる乳房組織そのものが大きくなることです。

    偽性女性化乳房は、過体重の男性でみられる、外見的に乳房が大きい状態です。しかし、この腫大の原因は胸の周囲の脂肪組織が増えたためであり、胸の乳腺組織が大きくなったためではありません。

    女性化乳房はときに乳児期や思春期に生じます。腫大は思春期では通常は正常かつ一過性のもので、数カ月から数年持続します。乳房腫大は50歳以降でもよく起こります。

    男性の場合、乳房腫大は以下の原因によって生じることがあります。

    頻度は低いですが、男性の乳房腫大がホルモンバランスの崩れから生じることがあり、これは精巣または副腎エストロゲンを分泌するまれな腫瘍があることで起こることがあります。

    腫大は、片方または両方の乳房で起こります。大きくなった乳房を押すと圧痛を感じることがあります。圧痛があれば、腫大の原因はおそらくがんではないと考えられます。男性の乳房の痛みは、女性の場合と同様、たいていはがんの徴候ではありません。

    医師は徹底的な問診と身体診察を行います。ときに血液検査やマンモグラフィーなど、他の検査が必要になることがあります。

    一般に、特別な治療は必要ありません。多くの場合、自然に解消するか、原因を特定して治療することにより解消します。余分な乳房組織を手術で切除すると効果的ですが、その必要はめったにありません。小さな切開口から吸引管を挿入して脂肪組織を除去する手術法の脂肪吸引が手術の選択肢として好まれ、ときにはその後に美容外科手術が追加されます。

    知っていますか?

    • 男児ではときに、思春期の間に一過性の乳房腫大が発生することがあります。

    男性の乳がん

    乳がんの99%は女性に発生しますが、男性に乳がんが発生することがあります。米国では、毎年およそ2,360人の男性が乳がんを発症し、およそ430人が亡くなります。男性の乳がんはまれなので、症状の原因として疑われないことがあります。その結果、男性の乳がんは診断される前に進行期まで進行していることがよくあります。予後は、同じ病期の乳がんの女性と同様です。

    女性と同様、男性の乳がんは診断を受ける必要がある乳房のしこりを生じます。診断法は女性に用いられるものと同じです。

    女性と同様、男性の乳がんの治療の選択肢には、外科手術、放射線療法、化学療法などがあります。しかし、男性の場合、手術後に乳房を温存することは考慮されません。

    エストロゲンは一部の乳がんを増殖させます。エストロゲンは主要な女性ホルモンですが、男性にも少量あります。組織サンプルを調べてエストロゲンががんを増殖させていることが判明した場合は、タモキシフェンなどの薬でエストロゲンの働きを抑えます。

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