多発性硬化症とはどのような病気ですか?
多発性硬化症は、脳と脊髄の神経にたくさんの傷あとができる病気です。そのせいで、神経が正しく働くことができなくなります。
目の見え方に問題が起きたり、異常な感覚がしたり、動作が弱々しくなったり、不器用になったり、ものをはっきり考えるのが難しくなったりします。
現れる症状は時期によって変わります。
症状はふつう、現れては消えるをくり返し、症状が起きていない間は体調がよいと感じることもあります。
多発性硬化症は、時間とともに悪くなっていく傾向があります。
脳と脊髄のMRI検査の結果から診断されます。
いくつかの種類の薬が役に立ちますが、この病気を治せる治療法はありません。
多発性硬化症は、体の障害を引き起こすことがありますが、ほとんどの人は、健康な人と同じくらいの年齢まで生きることができます。
多発性硬化症の原因は何ですか?
多発性硬化症にはどのような症状がありますか?
多発性硬化症では、さまざまな神経が攻撃されるため、現れる症状は人によってちがいます。また、症状が現れて消えるパターンもさまざまです。
ふつう、多発性硬化症の症状は急に現れ(急性増悪といいます)、それから治まります(寛解といいます)。ふつうは、急性増悪と急性増悪の間は健康状態がよくなります。ほとんどの人は1~2年に1回しか急性増悪を起こしませんが、それより多くなることもあります。毎回、体のちがう部位で起こる場合もあります。急性増悪は数日から数カ月続きます。
時間がたつにつれ、急性増悪と急性増悪の間に症状が完全に治まらなくなることがあります。人によっては、症状がずっと治まらないこともあります。症状のパターンがどのようなものであれ、多発性硬化症はゆっくりと悪化していく傾向があります。
多発性硬化症の最初のころによく起きる症状としては、次のものがあります:
腕、脚、胸、背中、または顔の一部にピリピリする感じや、しびれが起きる
腕や脚に力が入らない、うまく動かせない、こわばる
盲点、かすみ目、または一方の目を動かしたときの痛み
最初のころに起きるそのほかの症状としては、次のものがあります:
複視(1つの物が2つに見えること)
何かにふれたときや、首を曲げたときに、背中、脚、または腕に突然、焼けるような痛みや感電したような痛みが出る
後から現れてくる症状としては、次のものがあります。
ふるえのような不規則な体の動き
体の一部または全体を動かせない
痛みを伴った筋肉のけいれんが起き、筋肉に力が入らない
バランスをとれなくなり、歩くのが難しい
疲れや脱力感
話し方がゆっくりになり、ろれつが回らない
抑うつや気分のゆらぎ
考えること、おぼえること、注意を払うこと、何かを決めることが難しい
めまい
排尿や排便をがまんできない
暑い日や熱が出ているときなど、暑く感じているときに、症状が悪くなることがあります。
医師はどのようにして、私が多発性硬化症かどうかを判断しますか?
医師は多発性硬化症をどのように治療しますか?
症状の急性増悪に対する治療のために、医師は次のものを使います:
コルチコステロイドという薬
もしコルチコステロイドが効かなければ、医師は血漿交換という血液の治療を試すことがあります。
症状の急性増悪を予防するために、医師はいくつかの薬を使って、免疫によって神経が攻撃されないようにします。
ほかにも、筋肉の緊張、ピリピリする感じ、疲れ、抑うつなど、それぞれの症状を治療するための薬も使うことがあります。
次のような方法で、生活を楽にし、体の障害の予防に役立てることができます:
活動的に生活する
理学療法をする
できるだけ長く自力で歩くようにする
熱いお風呂やシャワーなど、熱を避ける
タバコを吸わない
ビタミンDのサプリメントを飲む
多発性硬化症に関する詳しい情報はどこにありますか?
米国多発性硬化症協会(Multiple Sclerosis Association of America [MSAA])
全米多発性硬化症協会(National Multiple Sclerosis Society)