睡眠衛生

対策

行うこと

規則的な睡眠/覚醒スケジュール

週末も含め毎日,就寝時刻および特に起床時刻を定時にすべきである。寝床の中で長い時間を過ごすべきではない。

寝床の適切な使用

床上時間を制限することで睡眠の持続性を改善できる。20分以内に眠れなければ,寝床から出て,眠くなってから寝床に戻るべきである。寝床は睡眠または性行為以外の活動(例,読書,飲食,テレビを見る,または請求書の支払い)に使用すべきでない。

交代勤務者とナルコレプシー患者を除き,昼寝を避ける

不眠症患者では,昼寝は不眠の悪化につながることがある。しかしながら,ナルコレプシー患者では昼寝をとることで刺激薬の必要性が低下し,交代勤務者では作業効率が改善する。昼寝は毎日同じ時間にとり,30分を限度にすべきである。

就寝前のルーチン

一連の行動パターン(歯磨き,洗顔,目覚まし時計のセットなど)が睡眠に向かう気持ちの準備となりうる。就寝前および夜間覚醒時は明るい光を避けるべきである。

入眠を促進する環境

寝室は暗く静かで適度に涼しい状態にすべきであり,睡眠と性行為のみに使用するべきである。厚手のカーテンまたは睡眠マスクは光を遮断し,耳栓,ファン,またはホワイトノイズ発生装置は騒音を排除するのに役立つ。

膝の間,または腰の下に枕をいくつか置くと快適さが増す。背部に問題のある患者では,仰臥位で大きな枕を膝の下に置く,または側臥位で枕を膝の間に挟んで寝ることなどが役に立つ。

定期的な運動

運動は睡眠を促し,ストレスを軽減するが,夜遅くに行うと神経系を刺激し入眠の妨げになりうる。

リラクゼーション

ストレスおよび心配事は睡眠を妨害する。就寝前の読書または入浴はリラクゼーションに役立つことがある。視覚的イメージ,段階的筋弛緩法,呼吸訓練などの方法が利用されることもある。患者は時計を見ないようにする。

刺激物質および利尿薬の回避

アルコールまたはカフェイン飲料,喫煙,カフェイン入りの食品(例,チョコレート),および食欲抑制薬または処方された利尿薬の摂取は,特に就寝前は,避けるべきである。

覚醒中の明るい光への曝露

日中の光への曝露は概日リズムを正すのに役立つ可能性があるが,あまり就寝時刻に近い時間帯に光に曝露すると睡眠が妨害されることがある。就寝の数時間前にブルーライト(青色光)を発する装置(例,電話,テレビ,コンピュータの画面)を使用しないことが推奨される。