疥癬に対する治療選択肢

治療法

具体的な方法

備考

ペルメトリン*5%(60g)クリーム

全身に塗布する;8~14時間後に洗い落とす

1週間後に繰り返す

第1選択の治療法である

ピリピリ感やそう痒を引き起こすことがある

イベルメクチン錠

200μg/kg,経口,単回

7~10日後に繰り返す

ペルメトリンに次ぐ第2選択薬として適応がある

施設内での流行および易感染性患者に対して使用する

肝疾患,腎疾患,または心疾患のある高齢患者に投与する際には注意が必要である

妊婦および授乳婦には推奨されない;15kg未満または5歳未満の小児における安全性は証明されていない

頻脈を引き起こすことがある

クロタミトン10%クリーム/ローション

入浴後に全身に塗布し,24時間後に2回目の塗布を行い,その48時間後に入浴する

7~10日後に2回の投与をともに繰り返す

リンデン1%(60mL)ローション

全身に塗布する;成人では8~12時間後,小児では6時間後に洗い落とす

1週間後に繰り返す

2歳未満の小児,妊婦および授乳婦,広範な皮膚炎がある患者,コントロール不良の痙攣性疾患を有する患者,ならびに皮膚バリアの破綻を伴う重症の皮膚疾患を有する患者には推奨されない

神経毒性を生じる可能性がある

スピノサド(spinosad)0.9%外用懸濁液

頸部から足趾までの皮膚(足底と足を含める)に適用し,禿頭の患者では前額部,髪際部,頭皮,および側頭部に適用する

着衣前に10分間放置し,次のシャワー浴または入浴まで6時間にわたり皮膚の上に残るようにする

1週間後に繰り返す

4歳以上の患者に使用する

眼瞼の発赤および腫脹や皮膚の乾燥を引き起こすことがあり,眼への接触は避けること

ベンジルアルコールとその誘導体を含有しており,毒性が生じる可能性があるため,新生児および生後6カ月未満の乳児とベンジルアルコールに対して過敏症がある患者では使用を避けること

6~10%硫黄軟膏

就寝時の全身塗布を3晩行い,各塗布後は24時間そのままにする

非常に効果的かつ安全

不快な臭いにより制約が生じる可能性がある

*ピレトリン系薬剤はキクの花に含まれる強い殺虫作用をもつ天然成分であり,ピレスロイド系薬剤はピレトリンの合成および天然の類縁体で,ペルメトリンは広く使用されている合成ピレスロイド系薬剤である。ピレトリン系薬剤は,その効力を高めるためにピぺリン酸誘導体(ピペロニルブトキシド)と併用する。

関連するトピック