小児における便秘の治療

治療の種類

薬剤

用量

主な有害作用

便塞栓の解除

経口

鉱油の大量経口投与(誤嚥を避けるため,1歳未満の乳児または神経学的に障害のある小児には使用すべきではない)

15~20mLに年齢をかけた値の量(最大240mL/日)を3日間または便が排出されるまで

便失禁,脂溶性ビタミンの吸収不良(反復投与された場合)

経口ポリエチレングリコール電解質溶液

排便があるまで経鼻胃管から25mL/kg/時間(最高1000mL/時)または20mL/kg/時を4時間/日

悪心,嘔吐,腹部痙攣痛,腹部膨満

経口ポリエチレングリコール(電解質を含まない)

10mL/kgの水に1~1.5g/kgを溶解し,1日1回,3日間投与

便失禁

直腸

グリセリン坐薬

乳児とより年長の小児:1/2~1個を1日1回,3日間または排便があるまで

なし

鉱油浣腸

2~11歳:67.5mLを1日1回3日間または排便があるまで

12歳以上:135mLを1日1回3日間または排便があるまで

便失禁,機械的外傷

リン酸ナトリウム浣腸

2~4歳:33.9mLを1日1回3日間または排便があるまで

5~11歳:67.5mLを1日1回3日間または排便があるまで

12歳以上:135mLを1日1回3日間または排便があるまで

機械的外傷,高リン血症

維持薬

経口の浸透圧性および潤滑性下剤

ラクツロース(70%溶液)

1mL/kgを1日1回または1日2回(最高60mL/日)

腹部痙攣,放屁

水酸化マグネシウム(400mg/5mL溶液)

1~2mL/kgを1日1回

過量投与の場合,高マグネシウム血症,低リン血症,または二次性低カルシウム血症のリスク

鉱油(誤嚥を避けるため,1歳未満の乳児または神経学的に障害のある小児には使用すべきではない)

1~3mL/kgを1日1回

便失禁

ポリエチレングリコール3350粉末の水溶液

1~18カ月:60mLの水に5mL(小さじ1杯)を溶解,1日1回

18カ月~3歳:120mLの水に1/2包(8.5g)を溶解,1日1回

3歳:240mLの水に1包(17g)を溶解,1日1回

便失禁

経口の刺激性下剤(使用期間を制限)

ビサコジル(5mg錠)

2~11歳:1~2錠を1日1回

12歳以上:1~3錠を1日1回

便失禁,低カリウム血症,腹部痙攣痛

センナシロップ:センノシド8.8mg/5mL

センナ錠:センノシド8.6mg/錠

1歳:1.25mLを1日1回,最高2.25mLを1日2回

2~5歳:2.5mLを1日1回,最高3.75mLを1日2回

6~11歳:5mLを1日1回,最高7.5mLを1日2回

12歳:1錠を1日1回,最高2錠を1日2回

腹部痙攣,大腸メラノーシス

維持用のサプリメント

食物繊維サプリメント

メチルセルロース*

6歳未満:0.5~1gを1日1回

6~11歳:1gを1日1~3回

12歳以上:2gを1日1~3回

腹部膨満(ただし他の食物繊維サプリメントより軽度)

オオバコ*

6~11歳:1.25~15gを1日1~3回

12 歳以上:2.5~30gを1日1~3回

腹部膨満,放屁

ソルビトール含有フルーツジュース(例,プルーン,洋ナシ,りんご)

乳児とより年長の小児:30~120mL/日

放屁

小麦デキストリン*

2~20歳:5g + 1g × 年齢を1日1回

腹部膨満,放屁

* 多数の製品および製剤が様々な濃度で市販されているため,用量は食物繊維のグラム数で示す。

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