シラミに対する治療選択肢

治療法

具体的な方法

備考

シラミ,アタマジラミ

イベルメクチン錠

200μg/kg,経口,単回

7~10日後に繰り返す

治療抵抗性のシラミに有用である

1%リンデン含有シャンプー

シャンプーを付け,4~5分間泡立ててから洗い流した後,目の細かい櫛ですく

1週間後に繰り返す

薬剤耐性が増加している

アタマジラミの治療薬では一般にみられない毒性(例,痙攣)があり,2歳未満の小児,コントロール不良の痙攣性疾患がある患者,ならびに妊婦および授乳婦では推奨されない

睫毛に使用することはできない

マラチオン0.5%ローション

乾燥した毛髪および頭皮に塗布して8~12時間後に洗髪して洗い流し,頭皮をシャンプーで洗い,虫卵を除去する

生きた虫卵(頭皮から1/4インチ[6.35mm]以内にある虫卵)が認められる場合は,7~9日後に繰り返してもよい

非常に効果的であるが,引火性と不快な臭いのため,第1選択の治療法ではない

ペルメトリン(例,1%ローションまたはクリームリンス),その他のピレスロイド系またはピレトリン系ローション*

洗髪して,濡れた毛髪,耳介後部,および項部に塗布し,10分後に洗い落とす

生きた虫卵(頭皮から1/4インチ以内にある虫卵)が認められる場合は,7日後に繰り返してもよい

キク科の植物に対して過敏症のある患者では禁忌である

スピノサド(spinosad)0.9%外用懸濁液

乾かした頭皮に適用し,頭皮が湿潤するまですり込んだ後,乾かした毛髪に適用して,頭皮と毛髪が完全に覆われるようにし,10分間放置した後,温水で徹底的に洗い流す。

7日後に生きたシラミが認められる場合は,2回目の治療を行うべきである

4歳以上の患者に使用する

ベンジルアルコールとその誘導体を含有しており,毒性が生じる可能性があるため,新生児および生後6カ月未満の乳児とベンジルアルコールに対して過敏症がある患者では使用を避けること

眼瞼の発赤および腫脹を引き起こすことがあり,眼への接触は避けること

Cetaphil®洗浄剤

塗布してから2分間放置し,余剰分を櫛で除去してから,頭髪をドライヤーで乾かし,8時間待ってからシャンプーした後,wet combingにより虫卵を除去する

必要に応じて週1回繰り返す

金属製の専用すき櫛でのwet combing

全ての治療法に併用すべきである

シラミ,コロモジラミ

そう痒および二次感染の治療

コロモジラミは衣服に寄生しているため,外用薬は使用しない

衣服および寝具を洗浄し,65℃で乾燥させる

衣服のドライクリーニングまたはアイロン掛け

シラミ,ケジラミ

1%リンデン含有(60mL)シャンプー

アタマジラミと同じ

アタマジラミと同じ

ペルメトリン1%(60mL)クリーム

アタマジラミと同じ

10日後に繰り返す必要がある

ピペロニルブトキシド配合のピレトリン系薬剤*含有(60mL)シャンプー

乾燥した毛髪および頭皮に塗布して10分間放置した後に洗い流し,これを7~10日後に繰り返す

24時間以内に塗布できる回数は2回までである

シラミ,睫毛

フルオレセイン点眼薬10~20%

眼瞼に適用する

直ちにシラミ駆除効果を示す

ワセリン軟膏

1日3~4回,8~10日間塗布する

*ピレトリン系薬剤はキクの花に含まれる強い殺虫作用をもつ天然成分であり,ピレスロイド系薬剤はピレトリンの合成および天然の類縁体で,ペルメトリンは広く使用されている合成ピレスロイド系薬剤である。ピレトリン系薬剤は,その効力を高めるためにピぺリン酸誘導体(ピペロニルブトキシド)と併用する。

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