Lancefield分類*

Lancefield分類による群

溶血

関連疾患

治療

A群

化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes

β

咽頭炎,扁桃炎,創傷および皮膚感染症,敗血症,猩紅熱,肺炎,リウマチ熱,糸球体腎炎,心内膜炎(まれ)

ペニシリン

エリスロマイシン,クリンダマイシン(米国で耐性が増加している)

壊死性筋膜炎

迅速な外科的管理

β-ラクタム系薬剤(通常,病因が同定されるまでは広域スペクトル;GABHSの存在が確認された場合はペニシリンまたはセファゾリンが使用できる)+ クリンダマイシン

B群

S. agalactiae

β

敗血症,分娩後または新生児敗血症,髄膜炎,皮膚感染症,心内膜炎,化膿性関節炎,尿路感染症

ペニシリンまたはアンピシリン,セファロスポリン系,バンコマイシン

C群およびG群

S. equi, S. equimilis, S. zooepidemicus, S. canis

β

咽頭炎,肺炎,蜂窩織炎,膿皮症,丹毒,膿痂疹,創傷感染症,産褥敗血症,新生児敗血症,心内膜炎,化膿性関節炎

C群のヒト感染は人畜共通の感染源を意味する

ペニシリン,バンコマイシン,セファロスポリン系,マクロライド系(感受性は一様でない)

D群

腸球菌:†Enterococcus faecalisE. faecium

腸球菌以外:S. gallolyticus(かつてのS. bovis),S. equinus

αまたはγ

心内膜炎,尿路感染症,腹腔内感染症,蜂窩織炎,創傷感染症のほか,併発する菌血症

ペニシリン,アンピシリン,バンコマイシン(重篤な感染症にはアミノグリコシド系薬剤を追加)

バンコマイシン耐性腸球菌:ストレプトグラミン系(キヌプリスチン/ダルホプリスチン),オキサゾリジノン系(リネゾリド),リポペプチド系(ダプトマイシン)

S. gallolyticus(かつてのS. bovis biotype I)

結腸腺腫または結腸癌,心内膜炎

緑色‡

S. mutansS. sanguisS. salivariusS. mitis(かつてのS. mitior),S. anginosus(かつてのS milleri),S. constellatusS. intermedius

αまたはγ

心内膜炎,菌血症,髄膜炎,局所性感染症,膿瘍(特にS. anginosus

ペニシリン,アンピシリン,バンコマイシン(重篤な感染症にはアミノグリコシド系薬剤を追加),in vitro感受性に基づきその他の抗菌薬

S. suis

髄膜炎,ときに毒素性ショック症候群

S. iniae

魚類からの感染による蜂窩織炎,侵襲性感染症

ペニシリン

* この表には,Lancefield分類の20群のうち臨床的に最も重要な群のみを含める。

† 腸球菌は当初はD群レンサ球菌に分類されたが,現在では,たとえランスフィールド分類のD群抗原を発現するとしても,別個の属に分類されている。

‡ Lancefield分類の特定の血清群に合致しない。

GABHS = A群β溶血性レンサ球菌。

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