非スタチン系脂質低下薬*

薬剤

備考

アデノシン三リン酸クエン酸リアーゼ阻害薬

LDL-C低下

ベンペド酸

高尿酸血症,腱断裂のリスク

この薬剤の活性化に必要な酵素は筋肉内に存在しないため,スタチン系薬剤に関連する筋肉系の有害作用がある患者で特に有用である

胆汁酸吸着剤

LDL-C低下(一次性),HDL-Cのわずかな上昇(二次性),TGを上昇させる可能性あり

コレスチラミン

コレセベラム

コレスチポール

コレステロール吸収阻害薬

LDL-C低下(一次性),HDL-Cの最小限の上昇

エゼチミブ

ホモ接合体家族性高コレステロール血症に対する薬剤

エビナクマブ

60分かけて点滴静注

臨床試験における有害反応として,上咽頭炎,インフルエンザ様疾患,輸注反応(infusion reaction)などがある

ロミタピド

肝毒性のリスク

用量を漸増する(約2週毎)

増量する前にトランスアミナーゼ濃度を測定する

フィブラート系薬剤

TGおよびVLDL低下,HDL-C上昇,(高TG患者において)LDL-Cを上昇させる可能性あり

ベザフィブラート

腎機能不全では用量減量の必要あり

米国では入手不能

シプロフィブラート(ciprofibrate)

米国では入手不能

フェノフィブラート

腎機能不全では用量減量の必要あり

おそらく,スタチン系薬剤との併用が最も安全なフィブラート系薬剤

ゲムフィブロジル

腎機能不全では用量減量の必要あり

ニコチン酸(ナイアシン)

HDL-C上昇;TG低下(低用量),LDL-C 低下(高用量),およびLp(a)低下(二次性)

頻度の高い有害作用:紅潮,耐糖能異常,尿酸値上昇。

アスピリンおよび食後投与により紅潮が最小限に抑えられる

PCSK9モノクローナル抗体

アリロクマブ

家族性高コレステロール血症の患者およびその他の高リスク患者に対して

エボロクマブ

家族性高コレステロール血症の患者およびその他の高リスク患者に対して

ω-3脂肪酸の処方薬

エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)+ドコサヘキサエン酸(DHA)

TG低下

LDL-C上昇

エイコサペンタエン酸エチルエステル(EPA)のみ

TG低下のみ

PCSK9を標的とするSiRNA

インクリシラン

家族性高コレステロール血症の患者およびその他の高リスク患者に対して

*これらの薬剤の多くはスタチン系薬剤との合剤としても利用できる。

HDL = 高比重リポタンパク質;HDL-C = HDLコレステロール;LDL = 低比重リポタンパク質;LDL-C = LDLコレステロール;Lp(a) = リポタンパク質(a);PCSK9 = プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型;SiRNA = 低分子干渉リボ核酸;TG = トリグリセリド;VLDL = 超低比重リポタンパク質。

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