子宮内膜症の治療に使用される薬剤

薬剤

用法・用量

可能性のある有害作用

エストロゲン-プロゲスチン混合型経口避妊薬

エチニルエストラジオール20μg + プロゲスチン

エチニルエストラジオール10μg + プロゲスチン

連続的な使用(1錠,1日1回,3~4カ月,その後4~7日間休薬)または周期的な使用(1日1回,3週間,その後プラセボを1週間,各月)

腹部の腫脹,乳房の圧痛,食欲亢進,浮腫,悪心,破綻出血,深部静脈血栓症,心筋梗塞,脳卒中,末梢血管疾患,気分変化

プロゲスチン

レボノルゲストレル放出子宮内避妊器具(IUD)

約14~20μg/日

不正子宮出血,ときに無月経(長期間をかけて発生)

酢酸メドロキシプロゲステロン

20~30mg,経口,1日1回,6カ月間,次に100mg,筋注,2週間毎,2カ月間,その後200mg,筋注,1回/月,4カ月間

破綻出血,情緒不安定,抑うつ,腟の乾燥,体重増加

酢酸ノルエチステロン

2.5~5mg,経口,就寝時

不正子宮出血,情緒不安定,抑うつ,体重増加,便秘

GnRHアゴニスト*

ゴセレリン

3.6mg,皮下,28日毎,6回

ホットフラッシュ,閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM),骨の脱灰,情緒不安定,関節のこわばり,頭痛,筋力低下,筋肉痛,性欲減退

リュープロレリン†

1mg,皮下,1日1回

リュープロレリンデポ剤

3.75mg,筋注,28日毎

または

11.25 mg,筋注,3カ月毎

ナファレリン

200~400μg,鼻腔内,1日2回

トリプトレリン(triptorelin)

3.75mg,筋注,28日毎,6回

または

11.25 mg,筋注,3カ月毎

GnRHアンタゴニスト*

エラゴリクス(elagolix)

150mg,1日1回,最長24カ月間

または

200mg,1日2回,最長6カ月間

ホットフラッシュ,閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM;閉経による外陰部,腟,および泌尿器系への影響),骨の脱灰,情緒不安定,関節のこわばり,頭痛,筋肉痛,性欲減退

レルゴリクス/エストラジオール/酢酸ノルエチステロン(臨床試験中)

40mg/1mg/0.5mg,経口,1日1回

有害作用はエラゴリクス(elagolix)と同じであるが,重症度はより低い

アンドロゲン

ダナゾール

100~400mg,経口,1日2回,3~6カ月

体重増加,ざ瘡,声の低音化,男性型多毛症,ホットフラッシュ,閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM;閉経による外陰部,腟,および泌尿器系への影響),浮腫,筋痙攣,破綻出血,乳房サイズ縮小,情緒不安定,肝機能障害,手根管症候群,脂質値への有害作用

* 治療期間は6カ月までに限定されている。

† 治療中の骨量減少の予防およびホットフラッシュの緩和のために,リュープロレリンとともに酢酸ノルエチステロン(2.5~5mg,経口,1日1回)などのプロゲスチンがしばしば投与される。

GnRH = ゴナドトロピン放出ホルモン。

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